其の402:これから公開される映画×2

 色々考え、リサーチもしていたのですが気が変わりました(笑)。
 ここ数年、膨大な数の「試写会」案内状を無駄にしてきたのだが(多忙+著名な評論家先生たちに交じってみる柄でもなし)、たまたまタイミングがあって観ることの出来た“これから公開される新作映画”2本について書きます(ネタばれしないようにはするけれど)。「これ観よう!」と思っている方は・・・飛ばしてもらった方がいい(苦笑)。


 1本目は「エレメント・オブ・クライム」、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」、「ドッグヴィル」で知られるラース・フォン・トリアー監督の「アンチクライスト」!
 ラースくん(デンマーク人)といえば良く言えば天才、悪く言えば問題児(笑)・・・ということで、これまでの作品も様々な物議を醸してきた御仁だが、キリスト教圏において「アンチクライスト」のタイトルは・・・挑発してるよなぁ!で、この作品、2009年のカンヌで上映されたのだけど「エロやば過ぎて日本で公開できないのでは?」という噂があったものの、ようやく日本でも公開決定ーということで試写にむかった訳。勿論「18禁」♪

 ストーリーは・・・風呂場で夫婦(→「プラトーン」のウィレム・デフォーと「なまいきシャルロット」のシャルロット・ゲンズブール)が一発ヤってる最中、2歳の息子が事故死。精神を病んだ妻のため、セラピストでもある旦那がかつて妻が論文執筆のため滞在したことのある森の山荘へ向かうのだが、そこで大変なことになる・・・というもの。

 資料には<エロティック・サイコ・スリラー>と括ってあるけど・・・観た上で言わせて頂くと観念的でもあるし、幻想的でもあるのでスリラーというのは・・・あってるような、あってないような・・・(苦笑)。<エロティック>と言われてもデフォーとシャルロットの2人以外、人はほとんど出ないから女の裸が観られるのは正直シャルロット・オンリー(ちなみに彼女は1971年生まれ)。中年男女の裸・・・あなたは観たいか(笑)?展開も含めると筆者的にはトリアー版「ミザリー」と言われた方がピンとくる。

 なんでもラースくんはうつ病を患っていたそうで、そのリハビリも兼ねて今作の製作に取り組んだそうだが(脚本も彼)、筆者的には正直<不快>な作品だった。具体的に書けないけど・・・描写が超痛そうなの!精神的にすげー嫌なかんじ。アクションで手足がスパスパ斬られても平気な筆者をもってしても・・・である(「彼らしい」と言えば、それまでだが)。

 役者2人はすげー頑張っていると思うけど(→アソコも出したシャルロットは今作でカンヌ国際映画祭主演女優賞)、そもそも「嫁さんの治療で森に行った」のに、あのオチじゃあ・・・ほとんど行き損だよ(苦笑)。筆者的には残念無念な出来でした。ラースくんも現在、ご病気も良くなって新作に取り組んでいるとのことなので(もう撮影は終わったのかしら?)次に・・・期待しますか^^!


 そして2本目がクリスチャン・ベイルの激やせが話題になった「マシニスト」のブラッド・アンダーソン監督の新作「リセット」。ある夜、大停電とともに地球上の人々が衣服や靴をその場に残して消失する。一体、何故!?おまけに電気は復旧せず、夜が次第に長くなっていく・・・。自家発電機のおかげで照明が灯ったバーにたどり着いた4人の男女(→「スター・ウォーズ」エピソード2、3のヘイデン・クリステンセンに「サマー・オブ・サム」、「ハプニング」のジョン・レグイザモ。「シャンドライの恋」、「2012」のタンディ・ニュートン&知らん黒人の少年)の運命は?!

 面白そうな話でしょ^^?「何故、停電と共に人が消えたのか?」という設定に、どうオチをつけるのかが気になって試写に行ったわけ。
 ところが・・・結果。これじゃあ「シックス・センス」以降のM・ナイト・シャマランの作品パターンと一緒じゃん(→ネタばれ?)!!「夢オチ」、「宇宙人オチ」、「妄想オチ」ではないけど、これでOKだったら筆者は映画の脚本100本は書けるゾ(怒)!!!

 主人公のTVレポーターに「スター・ウォーズ」の“アナキン(タマキンではない)”ことヘイデン・クリステンセンが扮している。その彼の今作の役名が“ルーク”って・・・。「業界内ギャグ」か(苦笑)!?

 ということで、これも残念無念な出来でした。何度も書いてきたことだが、映画なんて本当に面白いのは年に何本もないことを再認識した次第。良かった点は映画のモチーフになった16世紀末に実際に起こった「米・ロアノーク島集団失踪事件」を初めて知ったこと(→念のため調べてみたら映画の創作ではなかった)&タダで観たことぐらいか(笑)。途中、いびきかいて寝てた先生もいらしたけど・・・あれで映画評は書けるのかしらん??

 今年は例年より試写会に行くようにしよう!て、ゆーか行く時間が・・・今年はあるといいなぁ・・・(遠い目)。



<どうでもいい追記:1>「第20回東スポ映画大賞」、作品賞は筆者の予想通り「アウトレイジ」。またまたビートたけしが<自分で自分に賞をあげるパターン>だった!
で同時に開催される「エンタメ賞」。特別賞にマツコ・デラックスミッツ・マングローブ広末涼子とキャンドル・ジュンのほか沢尻エリカと母リラさん(笑)、大桃美代子麻木久仁子山路徹だって(爆笑)!!まぁ、大半が来るわけないけど(笑)万が一全員、授賞式に来たらー相当面白いぞ^^!!
 
<どうでもいい追記:2>「ガハハおじさん」こと演出家の和田勉さん死去(合掌)。
それにしても本当に今年は新年から亡くなる著名人が多いなぁ・・・。「昭和」がますます遠くなってきたよ・・・(哀)。