其の1:ラス・メイヤー最高作「ワイルド・パーティー」

 「巨乳映画の帝王」故ラス・メイヤー監督による1970年度作品。もっとも“巨乳映画”というカテゴリーがあるかどうかはよく分かりませんが(笑:おっぱいは映画にとって重要な娯楽であり、映画においてはスケベな客を釣る必須要素でもある)。日本でも、ようやく作品がリリースされるようになりましたが、数年前までは知る人ぞ知るカルト監督のひとりでした。

 この作品以前にも自身のプロダクションによる「ファスター・プシィキャット!キル!キル!」(’66)や「ヴィクセン」(’68)他のヒット作(独立系ポルノ映画)あり。メイヤー映画の特徴としては以下のポイントが挙げられる。
①:女優が全て巨乳(基本中の基本。初期のヌードのない作品でも)
②:絶妙なカッティング&ポップな音楽(中でも編集は・・・凄いよ)
③:下から延々上に上がっていくオープニングのスーパー
④:大仰なナレーション
⑤:女優の撮り方は基本あおり(→巨乳を強調)
⑥:バイオレンス&ブラック・ユーモアに彩られたストーリーや設定

 このブログの記念すべき第1回目に紹介するメイヤーの最高傑作「ワイルド・パーティー」にはその全てがあり、且つ音楽業界を舞台にした今作では更にメロドラマ、ホラー等の要素も加味(半ば強引に)。メイヤーが当時、どん底の経営状態で苦しんでいた20世紀FOXから依頼されて製作・監督した初のメジャー大作でもある(しかも共同脚本は全米屈指の映画評論家、若き日のロジャー・エバート!!・・・人に歴史あり)。現在ではカルト映画としてもメジャーでしょう。<映画おたく>の間では(苦笑)。

 物語は田舎から都会に出てきた美女巨乳ロック・バンドメンバーの地獄巡りといった趣き。観客の予想通りに各面々がセックス&ドラッグの罠にはまっていき大変な事態を迎える・・・(苦笑)。ところが「大映ドラマ」並のベタな話も後半から一転!観る者全ての予想を裏切る展開がたてつづけに起こり(本当にあっという間)、観る者全てに衝撃を与える驚愕の<ラストシーン>を迎える(本当)!!・・・今作を観ずして「映画」という媒体を語るなかれ^^。

 
 筆者が選ぶ「映画ベスト10」において生涯の第1位はスタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」なのですが(この作品については後日解説)、人に言いづらい<裏NO.1>が・・・この作品(但し、シャレが分かる事が前提)!
 是非、一度騙されたと思ってDVDをご覧下さい。最後のオチがマジで凄いんだからっ!!!他のメイヤー作品に関しても、機会を見つけては今後書いていこうと思いマス。


 ・・・その故メイヤーにオマージュを捧げた映画「ダブルD・アベンジャー」(メイヤー作品出演女優が大挙出演)を先ほど観てきたのだが・・・出来はノーコメントという事で(・・・察してくれ、頼むから)。