酷暑の中、高校野球も終わりましてー。神奈川県・横浜出身の筆者としては地元の優勝は嬉しい限り。大会に関わった日本全国の高校球児、監督、ご家族、学校関係者の方々、本当にお疲れ様でございました!!
映画ブログとしての本題。ずーっと新作映画を書いていたせいで、今回は迷いに迷って、危うく筆が滑って(いまではキーボードか)、若くして亡くなった天才・山中貞雄監督の「人情紙風船」とかを書きそうになって思いとどまった(笑)。このブログにはちょっと似合わない作品だよね!
で一転、最近忘れられてそうなハワード・ホークス監督辺りを考えてんだけど・・・ひょんなことから行定勲監督の新作「リボルバー・リリー」を観たので、ネタバレしない範囲で、今回も新作レビューです(申し訳ない)!
大正末期の東京を舞台に、かつて諜報機関で凄腕暗殺者だったヒロインが訳アリ少年を救う為、陸軍に追われる事態になるお話。綾瀬はるか他豪華キャストと、行定さん初のアクション映画という事で話題作だとは思うのだがーSNSではめっちゃ低評価。興行成績も関係者の予想を大きく裏切りそうな気配・・・。このままでは<ボロクソ叩かれた上に大コケした映画>として「大怪獣のあとしまつ」やこの間の「東京オリンピック」のラインに入りそうな気配だ(近い記憶で書くならば「聖闘士星矢」実写版もあるけれど、あれはアメリカ映画)。
「冗長」、「脚本、演出が酷い」、「綾瀬はるかのファッションショー」ほか様々な意見が溢れてて、ハードルをめっちゃ低くして観たのですが・・・想像していたよりは良かった(笑)。筆者は映画館行くようになって半世紀になるけれど、今作を遥かに凌ぐ駄作をこれまで何十本も観てるわ(爆笑:でも本当です)!
原作未読なので、どう脚色したかはわからないけど、ストーリー自体は悪くない。ただ基本設定は「グロリア」だよね!誰も言わないけど(苦笑)。それにアクションシーンもペキンパーの「ワイルドバンチ」やかつての西部劇(マカロニ含む)他で観たようなシーンがちょいちょい入ってくる感じ。行定さんも事前に絶対、ジョン・ウーとか何本かは参考に観た映画がある筈^^。
「女優を綺麗に撮る」は映画演出の大前提なので、綾瀬はるかのファッションショー化でも、それはそれでいいと思う。漫画のキャラと違って、毎日同じ服装で過ごしてる人はいない(笑)。彼女のアクションも申し分なし^^。
今作でいわれる「冗長」との指摘→→→これは“アクション映画としてのリズムが悪い”という事に尽きるんじゃない?「インディ・ジョーンズ」や「ミッション:インポッシブル」とかを思い出してほしいんだけど、アクションシーンは人間ドラマの部分とはテンポを変えるんだけど(大量のカットを編集で細かくつなぐ)、アクションもドラマ部分も割と全体的に同じ感じで進む“行定調”じゃない。観客は「アクション映画」を観る前提で来てるので、よほど凝った構成じゃない限り(今作も少々謎っぽい要素もあるものの、割と早い段階であっさり台詞で解明される)、同じトーンで上映時間2時間越えると、あきてくるよね。アクションもそんなにハラハラドキドキする感じじゃないし。
これまでの「日本映画の大作=時代劇、戦争映画」という邦画製作者のベタな思い込みを今作で破って欲しかったけどね・・・。日本映画の発展の為にも、これにめげず少女漫画の映画化は減らして、アクション大作やSF大作の実写化にじゃんじゃんチャレンジして欲しいと個人的には思います!