リドリー・スコット監督最新作「グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声」を観ました(この副題いるか!?)。前作から24年・・・「ビートルジュース」を想起させる、まさかまさかの続編です(話を聞いた時は「なんで今更!?」と思った)。
ふと考えてみるとリドリーさんが“続編”作るのって「エイリアン」の前日譚「プロメテウス」の続き「エイリアン:コヴェナント」以来なんだよね。今月で87歳になる彼がこんな超大作を・・・もう観に行くしかないでしょ!いつものようにネタバレしないように書くけれど「1」は必ず観ておくように。完全に直結してるので。それにしても「八犬伝」、「十一人の賊軍」に次いで今作・・・。最近、時代劇ばっかで現代もの観てないなぁ(苦笑)。
前作より時は流れて西暦211~212年頃、ゲタ帝とカラカラ帝(大浴場つくった人としても知られてる)が共同統治していた時のローマ。前作の主人公マキシマス(=ラッセル・クロウ)の息子ルシアス(=ポール・メスカル)が逃亡先で行われた戦いに負け、奴隷商人マクリヌス(=デンゼル・ワシントン)に見いだされ父親同様・剣闘士として戦う事に。ルッシラ役でコニー・ニールセンが続投してます。
率直な感想としては「これ、製作費いくらかかってんの!?」というぐらい、堂々としたスペクタクル史劇に仕上がってます。前作はまだCGのレベルが低くてコロシアムの外観なんぞ「CGでーす」と一目で分かるクオリティーだったけど、今回はどこまでセット造って、どこをCG足してるか分からないぐらいリアルだった。ローマの街のロングショットの画も見事。絵画を参考に、自らストーリーボードを描くリドリーさん、流石です^^。映像美に加え、合間合間に合戦や剣闘士同士の戦いが入るので、飽きずに148分の長尺を観られた。
コロシアムでは様々な猛獣と戦わされたり、中に水を貯めて船を浮かべての海戦が行われた事も知られてるけど、それらもリアルに再現されて(人体破壊描写もグー)、前作よりバージョンアップしてる点も高評価だわ^^。お話もそんなに複雑じゃないしテイストも前作に似てるけど面白い。筆者もカラカラ帝ぐらいは知ってたけど、デンゼルさんが演じたマクリヌスも実在の人物だったと映画観た後に知った(自分で調べたのよ)。いや~、映画って本当に勉強になりますね~(←水野晴郎先生の口調で読むこと)!
こんな大作を海外ロケを含めて基本8台、最大で11台のカメラを回したシーンもあるそうだが、約50日で撮り終えたというから・・・しかも監督は高齢、とても信じられん!!こんな早撮りは現在ではリドリーさんとスピルバーグぐらいしかいないんじゃない!?しかも撮影素材はすぐ編集マンに渡すので、クランクアップする頃には編集の半分が終わっているという・・・(驚)。恐るべし、リドリー・スコット!!
ご高齢(失礼!)でありながらハイペースで作品を作り続け(去年も歴史超大作「ナポレオン」撮ってるし)、更に数本の企画を抱え、おまけに「グラディエーター」のシリーズ3作目も何気に企画しているというリドリー・スコット(本人的には今作が自身の「最高傑作」だそうで)・・・。もう、ただただ尊敬するしかない(個人的には本人が作りたがっていた残り2本の「エイリアン」前日譚をやってほしいけど)。こうなりゃ、最後の作品までついていくぜ!!・・・新藤兼人監督みたいに100歳ぐらいまで監督してる気がする^^!
今作のパンフレットが制作されてないのは謎だが・・・さて、年内はあと何回更新出来るかな・・・840回目を年内更新ラスト回にすればキリがいいとは思うんだけどね~。そううまくいくかしら!?