<其の773>踊りなし!インド産ミステリー「女神は二度微笑む」寸評

 ・・・またまた間があきました(汗)。戦争は一向に終わる気配なし・・・。

 

 季節のせいもあるのでしょうが、一時期映画を観るパワーがなく・・・DVD観ても「面白い!」という作品に当たらず、更新を止めていたのですが、数年前、一部のミステリー・サスペンス映画ファンの間で話題になったインド映画「女神は二度微笑む」をようやく鑑賞。これには筆者も・・・「やられた!」。定番の<踊るシーン>がないから上映時間も2時間ちょいよ^^。

 

 仕事でインド・コルタカに行ったまま行方がわからなくなった夫・アルナブを捜す為、妻・ヴィディヤは身重な身体ながらロンドンからやって来た。早速、宿泊していたホテルや勤務先を訪ねるも、そのような人はいなかったと言われる。ところが後日、勤務先の女性から、名前は異なるものの彼によく似た男性が一時期勤めていた事を告げられる。だが、その直後女性は何者かに殺されてしまう。やがて、夫に似ていた男性が国家情報局に追われている事を知るヴィディヤ。彼女は危険を顧みず、行方を捜そうと奔走するのだが・・・!? 

 

 正直、<失踪した夫を捜す妻>という設定は松本清張の「ゼロの焦点」と一緒だし、<探す人物が誰からも知らないと言われる>のもヒッチコックの「バルカン超特急」、「バニー・レークは行方不明」ほか、ミステリーにおいては“よくあるパターン”。その為、観る側としては当然「夫が二重生活送っているのでは?」とか「国家の陰謀に巻き込まれたのでは?」等と推理してしまうのだが・・・途中からヒロインも命を狙われるようになってからは目が離せなくなる!!

 途中ね・・・「ちょっとこれは・・・?」という部分もなくはないし(ネタバレするんで具体的には書けません。ごめんね)、ヒロインの事が好きになって彼女に協力する警察官の“恋心”の描写は「このシーン、いるか?」と思って爆笑したけど・・・微笑ましいシーンという事で・・・まっ、いいか(笑)。ヒロインを狙う殺し屋がさえないダメサラリーマンながら、裏の顔は凄腕の殺し屋というのも中村主水みたいで面白かった。さすがに「必殺」シリーズを参考にはしていないだろうけど(笑)。

 真相は・・・まぁ、驚きましたよ!筆者はミステリー小説もよく読む人なので、紙媒体で考えれば目新しいパターンではないんだけど・・・まさか、映像でやるとはねぇ。

筆者は全然インド映画に詳しくないけれど、早いカット割りやジャンプカットを多用してテンポを出す手法を駆使していた。これも今作にはまっていたと思う。インド映画ファン並びにミステリー・サスペンス映画ファンの方にお薦めします。

 

 余談:今作をハリウッドでリメイクするとか公開直後に聞いた気もするのだが・・・どうなったのかしら?(調べてないので、もし既に公開されていたらめんご)