「映画秘宝」が先日、復活^^(価格はちょい上がったけど)!個人的にはコロナ渦の中で唯一“明るいいい出来事”になった。
少し前の回で、小説や漫画にはつけられない要素ー“音声”を最大限に生かした作品を紹介しましたが、今回取り上げる「search/サーチ」(’18・米)は、頭から最後まで全てがパソコン画面の中で展開されるサスペンス映画。全てPCで展開するのは今作が世界初ではないようだが・・・こういった<新しい試み映画>が好き❤しかも面白い!
デビッド・キム(=新しい方の「スター・トレック」に出演のジョン・チョー)は妻を癌で亡くしてから娘のマーゴットをシングルファーザーとして育ててきた。だが16歳にもなった娘との関係は疎遠になっていた。
そんなある夜、マーゴットは勉強会に参加する為に外泊すると連絡してくる。翌朝、デビッドが寝ている間に彼女から3回着信があったものの、帰宅した形跡がない。彼は娘はいつも通り登校してピアノのレッスンに行ったものと考えた。ところが、ピアノ教室に連絡してみると、彼女は半年前に教室を辞めていた。
妻の遺したアドレスからマーゴットの幼馴染の家に連絡すると、母親から子供達がキャンプの企画を立てていた事を知る。だが翌日、帰宅した幼馴染から「マーゴットは待ち合わせに来なかった」と伝えられた。デビッドは娘の失踪を警察に届け出る。警察の捜査中、デビッドは彼女のメールアカウントへのログインに成功。だが、そこで見たものは娘の知られざる一面だった・・・。
映画の序盤をこうして書くと「よくあるお話」だと思われそうだけど、これ全てパソコンの画面の中でチャットやテレビ電話、SNSを駆使して一連の流れで展開されるのよ!「どんな風に表現してるんだ!?」と思われた方には「とにかく観て!」としか言いようがない。サスペンスなんでネタバレせぬよう長々書けないところが残念だが、警察の捜査が始まった後、お話は二転三転して飽きさせない。監督、共同脚本のアニーシュ・チャガンティ(アジア系)はこれが長編映画デビュー作という事だがーこれは発想こみでマジで凄いっ!
作中、特段言及はないものの、デビッドはPCに相当精通していて(IT企業にお勤めと思われる)、タイトル通りPCから“サーチ”しまくって、様々な要素を発見していくのだけれど、それには大量の素材と複雑な編集が必要。なんでも撮影期間はそれほど長くかからなかったものの、この複雑な編集には約2年かかったそうで・・・。ホントお疲れ様でした、と伝えたい(笑)。
<親子の断絶と絆>とか<他者とのコミュニケーションの在り方>とか、内包するテーマは幾つかあるけれど、筆者は正直・・・SNSの便利さと同時に怖さも感じた。どんなものにもプラスがあればマイナスがあるもので・・・21世紀を生きる我々は、SNSと上手につきあっていかないといけない、と改めて思った。
サイレントからトーキー、総天然色の実写からフルCG映像・・・技術の発展と共に進化してきた映画業界。媒体としての表現方法も3Dやモキュメンタリー、全編主観映像に音メイン・・・と次々新趣向が登場してる。更に今作みたいにパソコン画面オンリーとなると、次はどんなアイデアが出てくるかなぁ!?筆者も色々考えてみたけどーいっそバーチャルを越えて、大勢が同時に観る巨大ホログラフィー(立体映像)まで行き着くしかないのかも?目前でジェダイ騎士のライトセーバーでの戦いとかあったら、ド迫力間違いなし(笑:いつかはできるかな!?)^^