其の551:ブラピの方の「フューリー」

 ついに2014年も残り1か月を切りました!高倉健さんに続き、菅原文太さんまで亡くなった日本映画界はこの先どうなるのでしょうか・・・。

 そんな中、ブラッド・ピットが主演・製作総指揮を兼任した戦争映画「フューリー」を鑑賞。元々筆者は戦争映画も好きだし(昔はジャンル的に“アクション映画”の範疇に入ってた)先日、来日した彼を取材したこともあって鑑賞した次第。ちなみにブライアン・デ・パルマの同名作は“サスペンス映画”なのでお間違いなきよう(マジややこしいわ)^^。絶賛公開中につき、ネタバレしない範囲でさくっと書きます!



 第二次世界大戦末期の1945年4月。連合軍はドイツ国内に侵攻、ナチスに最後の攻勢をかけつつも激しい抵抗にあっていた・・・。ドン・“ウォーダディ”コリアー軍曹(=もちブラピ)が車長を務めるM4シャーマン戦車『フューリー(“激しい怒り”の意)』号のクルーは砲手のボイド“バイブル”スワン(=「トランスフォーマー」シリーズのシャイア・ラブーフ)、装填手のグレイディ・“クーンアス”・トラヴィス、操縦手のトリニ“ゴルド”ガルシア(=マイケル・ペーニャ)の4人。そんな中、先の戦闘で死亡した副操縦手の“補充”として新兵のノーマン・エリソン(=ローガン・ラーマン)が配属される。彼は戦車の中を見たこともない上に戦闘経験もない若者だった。次の任務のため、四方を敵が囲んでいるドイツ国内を進む彼らだったが・・・。



 誰もが言うことですが・・・今作ではM4シャーマン戦車(アメリカ製)とドイツのティーガー(あるいはタイガーとも)I型重戦車の“本物(←イギリスの「戦車博物館」所蔵にして世界で唯一走行可能な現物を借りて撮影)”のバトルシーンが観られるという戦車マニア狂喜乱舞の一作でもある^^。一般の人から見たら「なんでドイツの戦車はあんなに強いの!?」と思われるかもしれない。けれども当時のドイツ製タイガーを倒すためにアメリカ製の戦車が3、4台必要だったのは事実(戦争トリビア)!監督のデビッド・エアー(=元海軍出身。「U−571」の脚本のほか、監督として「エンド・オブ・ウォッチ」、シュワちゃんの「サボタージュ」も担当)によればリアリティーの追及もあるものの、「フルスケールのモデルを作るよりは借りた方がコストを抑えられたから」だったそうだが(笑)。

 今作もスピルバーグの「プライベート・ライアン」から始まった<リアル戦闘シーン>を継承!撃たれた兵士の頭や足がバンバンふっ飛ぶ!!中には剥がれた●●も出てきたりして・・・(さて伏字に何が入るのかはご自分の目でお確かめ下さい^^)。狭〜い戦車の中でのやりとりも多いので、筆者的には「海の牙」や「Uボート」とかの潜水艦ものを連想した。それらの<戦車版>という感じかなぁ。

 主演のブラッド・ピット以下、主要キャストは役作りとして撮影前に<ブートキャンプ>を敢行!格闘技訓練等もこなして“軍人魂”を身につけたそうだ。ホント、役者って・・・大変な仕事だよな(感心)。舞台となる戦車の中はブラピいわく「居住性を考えて作られていない」そうで、野郎5人が中に入ると男臭くて大変だったと言ってた(笑)。おまけにシャイア・ラブーフは<前線で戦う軍人>としては当たり前だが・・・撮影中、長らく風呂に入らなかったそうだから・・・戦車の中はますます臭かっただろう(笑:残念ながら映像に“臭い”は映らないのだよ)。

 デビッド・エアーの脚本と演出は134分の長尺をあきさせない堂々たる作風。ただ、上記のように他作品の影響もちょいちょい垣間見られるし(これは致し方ないか)、<軍事マニア>から言わせると色々細かな粗もあるでしょう。歴戦の勇士であるブラピ目線と“新兵目線(これは観客目線でもある)”で戦争の悲惨さと現実&青年の成長を描くというのは・・・従来通り・・・よくあるパターン。「何故ブラピが異常なまでにSSを嫌悪するのか」とか、主要人物の背景があまり描かれなかったこともあり、作劇上<典型的な人物>が多い・・・のがちょっと不満として残った。

 ただ<戦車VS戦車>のバトルシーンは映像的にも見応えがあったし、日本が再び戦争できる国へと変えられてしまったら、こんな地獄の中に叩きこまれるのか・・・と改めて考えさせられた。ついでに書くと「予告」でメインのストーリーとして使われてた<ブラピら5人VSナチ300人の戦い>はクライマックスの最終バトル!果たしてどんな結末となるのかは・・・是非劇場でお確かめください。レンタル始まってからでもいいけど(笑)。



 <知ってるといいかもしれない豆知識?>この「フューリー」を観た時のお話。公開前に「ムビチケ」を買っていたので、これまで通り、特になにもせず某シネコンに向かったら・・・そこは事前にインターネットで席を抑えて発券しないといけないシステムだった!!なので一度諦めて自宅のPCで操作して、再び出かけることになったのでした(出直すんで帰宅する際、ついでに併設されてるデパートで買い物もしたからまるっきりの無駄ではなかったが)。劇場によってはそういう所もあるようなので「ムビチケ」の場合は御注意あれ! 

 さて、今年はあと何本劇場で映画を観れるかなぁ・・・。「サイコパス」のTVアニメも観ないと!!