其の623:ようやく「妖精たちの森」を鑑賞

 以前、このブログで書いたデボラ・カー主演映画「回転」(’61・米)の“前日譚”「妖精たちの森」(’71・英)をやっとこさ鑑賞!「回転」でハッキリ説明されなかった女性家庭教師と下男の謎が解明される一作。主演はあの大俳優マーロン・ブランド!!まだ「ゴッドファーザー」や「地獄の黙示録」に出る前の作品です!!


 20世紀初頭のイギリス・・・幼い姉弟、フローラとマイルズは両親を事故で亡くしてしまう。2人が住む大邸宅には家政婦のほか、下男のクイント(=マーロン・ブランド)、女性家庭教師ジェスル(=ステファニー・ビーチャム)が住み込みで働いていた。姉弟は粗野ながら様々な遊びを教えてくれるクイントを慕っている。そんなクイントはジェスルと密かに肉体関係を結んでおり、彼女はクイントを嫌悪しながらも肉欲に溺れてしまう。そんなある夜、2人の様子をマイルズが覗き見て・・・!?


 前にも書いたけど改めて。ヘンリー・ジェイムズの古典「ねじの回転」で描かれたお話の“前日譚”として製作されたのが今作!邦題に騙されてはいけません。ぶっちゃけ、妖精の「よ」の字も出てこない厭〜な話(原題は「THE NIGHTCOMERS」。全然違うやんけ)。

 なんで今作が企画されたのかは分からないけど(スタッフに「回転」のファンがいたのか?)、最大の見所は大御所マーロン・ブランド大先生の奔放な演技&ステファニー・ビーチャムとのエロいシーン(乳出しあり)。縄師と化したブランドがおねーさんを縛る様子を見ていた少年が無邪気に姉に真似するシーンには思わずゾッ!!アラフィフの筆者としては、すっかり“親の気持ち”で子供たちを見てしまった(苦笑)。

 監督はマイケル・ウィナー(英国人)。職人監督のこのお方の代表作といえば・・・「狼よさらば」(’74)とか「ロサンゼルス」(’82)とかのアクション映画だろう。どちらも主演はチャールズ・ブロンソンだが(う〜ん、マンダム❤)^^。今作ではテンポの良い演出で、純粋ゆえに恐ろしい子供たちを描きだすことに成功している。「回転」の冒頭も劇中にはあり、辻褄合わせもほぼほぼ。カテゴリー的にはホラーとかサスペンスというより<子供は恐ろしい映画>というジャンルだと思うのだが(←勝手にジャンル創設)。

 公開当時は酷評されたそうだが(「ヘンリー・ジェイムズが読者の想像力に委ねたクイントを具体的に見せたため矮小化してしまった」という事で)映画好きで、ある程度年齢がいっている人なら観て損はない一作。小中学生の時に観たらアカンけど(まさかラストカットがあんな映像とは・・・苦笑)。「回転」と「妖精〜」どちらから観るかは、考え方次第ということで^^。

 大して調べてないから確実ではないけれど・・・いまや<プリクエル(前日譚)>っていっぱい作られてるけど、この当時としてはかなり珍しいのではないかしら?!前日譚ものの“はしり”という意味でも、もっと評価されてよいかもネ^^


 2016年も残り2週間を切りました(早っ)。自身に宿題として課していた「妖精たちの森」もようやく観たし(でも買って観ていないソフト多数:汗)あと年内、更新出来るのは1回、あるいは2回・・・かなぁ!?


 来年公開の「ブレードランナー」続編(!)の予告篇を観る。マジでハリソン・フォード出演してるわ(驚)!!!