其の549:常識を超えたデスゲーム「神さまの言うとおり」

 高倉健さん死去のショックがようやく覚めつつある中(でも思い出すと泣きそう)漫画原作の映画「神さまの言うとおり」を半ば無理矢理観る(→「どんな感性しとんねん!」とつっこまれそうだが、個人的には健さんへのショック療法として、あえて“感動しない作”を選んだ訳よ)。現在、「週刊少年マガジン」で続編「神さまの言うとおり弐」が連載中ですが、こちらは<第壱部>の実写化。おまけに監督は、三池崇史!!現在、絶賛公開中につきネタバレしないようサクッと書きますわ❤


 高畑瞬(=福士蒼汰)は、ごくごく普通の高校生。特に目的もなく、日々の退屈な日常を嘆いていた。そんなある日の授業中、教師の頭が突如吹っ飛び、いきなり「だるま」が出現!!勝手に「だるまさんがころんだ」をし始め、動いたクラスメイト達は次々と死亡する。「だるま」の背中にあるボタンを押す事で終わらせることが出来ると気付いたサタケ(=染谷将太)と瞬は「だるま」に表示された「残り時間」を気にしつつ最後の賭けに出たのだが・・・!?



 「バトル・ロワイアル」や「リアル鬼ごっこ」、「ハンガー・ゲーム」(どれもシリーズ化されてますな)に連なる“不条理デスゲームもの”。それも何のふりもなく、いきなりだからね〜(これは原作漫画通り)!!おまけに「悪の教典」でも高校生をめっちゃブチ殺していた三池さんでしょ。ハードな展開の中に小ギャグを入れるのも彼らしい。もっとも映画館で笑ってたのは・・・筆者だけだけど(苦笑)。

 先述した「だるま」のほか“神さまの使い”キャラクターの問題で(→書いた粗筋は最初の最初。このあと、まだまだ色んなキャラが出てきて死の遊戯が続くのです。しかも世界中の学校で!!)全編、CGありきの映画。三池作品にCGは欠かせないが(注:クオリティーについてはまた別のお話)今作は三池作品中でも最多CGだそうでスケジュールの問題もあり、撮影しながら即編集し、素材をすぐに渡していたそうだが・・・ほんとにギリギリまでCG作業してたそうな。余談ながら「だるま」の他、登場するキャラの声を数々の著名人があてているので(←元国民的アイドルグループのあの人が間寛平のギャグを!)誰が声優しているかを考えながら聞くのも一興かと^^。

 俳優陣は「あまちゃん」でブレイクした福士蒼汰や「ヒミズ」の染谷将太のほか、殺人大好き高校生役にあの神木隆之介くん(彼は子役時代に三池さんの「妖怪大戦争」に出てましたな)!次々子役がでてきて、自身の成長と共に一時期低迷していた感のある彼だけど「桐島、部活やめるってよ」&「るろうに剣心」シリーズで復活してよかったね^^。役的には「バト・ロワ」の安藤政信っぽい感じだったけどーちょい意識してたかも?!個人的には、いまのところ三池さんの傑作のひとつ「殺し屋1」に出ていた大森南朋がちょいながら出ていたのが嬉しかったが❤


 
 最後の最後まで容赦ない話だけど(神さまの意図も分からんし)・・・ホント、平凡な日常が一番幸せなのよ(しみじみ)。「こんな酷い話、無理!」だとハナから敬遠せず(三池さんとしては相当気を使って血の量減らして、代わりに赤いビー玉とか使ってる。筆者は血で全然OKだが^^)幅広い世代に観てほしい映画。でも・・・TV放送は無理かもなぁ(苦笑)。個人的にはヒットしたら是非、続編の<弐>も映画にしてほしい。
 
 三池さんの完全に振りきれた最凶演出は来年公開予定の「極道大戦争」に期待しよっと(タイトルだけでも凄すぎ)♪