其の524:ソチ五輪と併せて「クール・ランニング」

 ソチ冬季オリンピックを観ていたら・・・突如思い出した映画が→「クール・ランニング」!!我ながらベタだねぇ(苦笑)。一瞬、「炎のランナー」と迷ったんだけど、季節的にはこっちかなぁ・・・と^^。雪の降らないジャマイカに住む男たちがボブスレーチームを組んでカルガリー冬季オリンピック(1988年)に出場した嘘のような本当のお話をベースに映画化(このソチ冬季五輪にも同じくジャマイカからボブスレーチームが出場しとりますな)。ホント、ベタベタだけどこれはホントに面白い映画よん♪


 常夏の国・ジャマイカ夏季オリンピック出場選手を決める陸上・100メートルの選考会で、最有力候補と目されていたデリス・バノックは隣のレーンを走っていた選手の転倒に巻き込まれ、あえなくオリンピック出場の夢を断たれてしまう。それでもオリンピック出場を諦められない彼はひょんなことから冬季五輪のボブスレー競技のことを知る。そこで幼なじみのお調子者や同じく夢破れた選手2人も仲間に加え、過去に2度金メダルを取ったアメリカ人(=ジョン・キャンディ)を無理矢理コーチに口説いて猛練習を開始するのだがー!?


 ↑上のように粗筋だけ読むと「炎のランナー」的大マジ映画(←これも勿論いい映画)や“スポ根的熱血もの”かと思われそうですが・・・全く違いますから!!「ジャマイカ」ということで劇伴も“レゲエ”(あのジミー・クリフも楽曲提供)が多く使用されているライトなスポーツ・コメディっす。

 あくまで“コメディ”なんで、基本笑い所満載。雪も見たことなければ、ボブスレーについて何にも知らないメンバー4人が五輪参加の「資金集め」から(劇中のようにキスが売れるかどうかは知らんが)、雪がないんで無理矢理する珍特訓(中でも風呂場のシンクで大マジに練習するシーンは笑った笑った)まで、これぞ“王道”の展開(あるいは“ベタ”ともいふ。余談だが原題の「COOL RUNNINGS」はジャマイカスラングで“平穏な旅”の意)。冒頭に書いたように<実話をベース>に脚色してるので、全部この通りだとは思ったらあかんよ^^。

 監督はジョン・タートルトーブ。コメディを得意としている御仁で、今作では巧みにカルガリー冬季五輪を再現。ボブスレーの走行シーンも迫力がある。もっともスタッフ、キャストともジャマイカと冬のカナダロケの余りの気温差が一番大変だったようだが。ちなみにタートルトーブは今作以降も「スピード」でブレイク直後のサンドラ・ブロック主演で「あなたが寝てる間に・・・」や「フェノミナン」等のハートフルな作品のほか、「ナショナル・トレジャー」シリーズではアクションにも進出してる。「魔法使いの弟子」(’10)撮ったあとは・・・きかないけど、いま何してるんやろ?!いい監督なんでどんどん撮って欲しいなぁ。

 勿論、クライマックスは五輪の彼らの出場シーンなんだけど・・・ネタバレするんで書きません!是非映画を観て❤「笑わせて、笑わせて、最後に感動させる」というビリー・ワイルダー的映画作法がみられるんで。最後に出る字幕も感動的だし^^。加えてジャマイカチームのコーチ役を演じたジョン・キャンディは本作公開後に死去。これを知ってると・・・もっと泣けるかも!?


 オリンピックでメダルは獲れれば越したことはないけれど・・・当たり前のことだけど、五輪の為に選手たちは4年間全てを捧げてきたわけだから、その努力している過程がなにより評価されていいと思う。出場すること自体がもの凄いことなんだし。この映画はそんなオリンピックの大前提を思い出させてくれる。