2015年も半分終わろうとしています(早っ)。今年やりたかったことの半分も実現できていません・・・(涙)。
来月、特に上旬はよりハードスケジュールになりそうなので、間が空くことを想定して、一気に新作から旧作まで3本書きます。時間ある時の“まとめ書き”ですわ^^。
前々からここにも書いていた三池崇史監督作「極道大戦争」が公開!“咬まれたらヤクザ化するヴァンパイアもの”というぶっ飛んだ内容なので喜んで観に行く(笑)。
“伝説のヤクザ”神浦組長(=リリー・フランキー)に憧れて、彼の舎弟となった影山(=久々の三池作品出演・市原隼人)。人情に厚い彼はカタギには決して手を出すことなく街を治めていた。そんなある日、謎の組織の殺し屋(=「ザ・レイド」シリーズのヤヤン・ルヒアン!!)に神浦が襲われる。最期を看取った影山の首に突如咬みつく神浦。実は神浦は“ヤクザ・ヴァンパイア”だったのだ!!<闇の力>を受け継いだ影山は、神浦殺しの黒幕を探しつつも、喉の渇きに耐え兼ね、人々の血を吸ってしまう。結果、街には“ヤクザ・ヴァンパイア”が大増殖!そんな中、組織も新たな刺客を街に送りこみ・・・!?
何でも、ある作品の企画が中止となり、監督のスケジュールが空いてプロデューサーたちと飲んでいた時に出たのがこのアイデアだそうで・・・普通は翌朝、酔いが覚めたらなかったことにするだろ、この話(爆笑)。余りに狂った設定に、出演したでんでんは「(脚本読んで)準備稿だろうと思ったら、決定稿と書いてあって驚いた」。リリー・フランキーも「(撮影したけど)公開されないと思ってた」とコメントしてたし(笑)。カルト化必至でしょう。
上記文章までを読んで「すげー面白そうじゃん!」と思った方もおられるかと思いますが・・・部分部分で三池さんならではの面白いところはあるんだけど・・・残念ながら、出来はイマイチでしたわ。上映中なんで詳細はふせますが、おかしな設定の分、はっちゃけないといけないと思うんだけど、それが足りない。設定に対して脚本が弱かったとも思うけど、もっともっとぶっ飛んだ演出で楽しませて欲しかったな〜(全然「大戦争」でもないし、超残念)!冒頭、リリーVSピエール瀧の「凶悪」コンビの再現は嬉しかったし、高島礼子がヤクザの頭役(しかも男の設定!)で頑張っていたのだけれど・・・ホント惜しいっ(にしても高島さん、よくこのオファー受けたな)。
「めちゃくちゃなアイデア×三池=イマイチだった」のパターンは、「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」(’07)で喰らってるんで、筆者もある程度<想定>はしていましたが・・・悪い方向での予想が当たってしまいました。「ジャンゴ」にしろ、「好きにやっていいよ」と言われると何故かスベってしまう三池崇史・・・何故だ!?でも三池さん的には久々に自由度の高い現場でリフレッシュされたそうなので(笑)、次回作の大暴れに期待します^^。
これも前に書いたことですが・・・今年のハリウッド大作は<続編ラッシュ>(全くの余談ですが「極道〜」と同日公開された「マッドマックス 怒りのデス・ロード」。その主演のトム・ハーディに出演をドタキャンされたので三池さんのスケジュールが空いたそうな。まぁ、三池さんは後日「マッドマックス」のジョージ・ミラー監督と対談されて喜んでいたので、ハーディへの怒り(?)も大分癒えたのでは^^)。どうも筆者は「マッドマックス」もシュワちゃんの「ターミネーター」も「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」もいまいち劇場まで足を運ぶ気力が湧かない(「スター・ウォーズ」はリアル世代の意地で無理矢理観にいくつもり)・・・。もう話のパターン、読めてるからね。そんな中、近日公開、かのスピルバーグプロデュースによる「ジュラシック・ワールド」の試写会に顔を出したのですが・・・。
恐竜を客に見せて喜ばせるテーマパーク「ジュラシック・パーク」改め「ジュラシック・ワールド」は日々盛況。でもパークとしてはマンネリ化を避けるための企業努力として、いろんな生物をかけあわせた新種の恐竜を遺伝子操作で誕生させる。その最強恐竜が逃げ出したことで大パニックに!お客を助けるためにもパークスタッフは奮闘するが・・・!?
・・・やっぱり話、これまでと同じじゃん!!当然、スケールアップはしているけど、1作目の<リアル恐竜>の衝撃はもうとっくのとうにないし(シリーズも間あいたとはいえ、これで4本目)、これを“初見”として観る小中学生だったら興奮するかもしれないけど・・・シリーズをリアルタイムで観ている筆者世代からすると・・・ねぇ。「エンターテインメントとして飽きずには観られます」という感じでした。この辺りのことがあるから続編もの(それも本数続けば続くほど)にちょっと辟易してしまう。もっとストーリーを捻らないと。
もともと映画なぞ「見世物小屋」がルーツだから今作も「最新技術を駆使して復活した恐竜が見られますぜ!いらはい、いらはい!」ってなことですよ。映画誕生して100年以上たっても、劇場が立派にバージョンアップしただけで、人間のやってることは大して変わってない気がする(苦笑)。その意味では映画興行成立の伝統(?)にのっとった1本として「ジュラシック・ワールド」を評価します(あまりフォローになってないか:笑)。
「見世物小屋」といえば→→→映画の“初期の初期”は「列車のホーム通過」レベルでもお客は驚いたわけですが、あとは「女の裸」と「秘境」・・・と相場は決まってまして(ホント)、「ローマの休日」や「旅情」なんて名画も、当時の<ヨーロッパ観光ブーム>にのっかって作られたこともまた事実。元五輪選手にして俳優に転身したコーネル・ワイルドが製作・監督・主演した「裸のジャングル」(’66)も、その昔の「秘境もの」に連なるジャンルといえよう。内容自体は<人間狩り>だから、客は風景目当てではないと思うし、本当にアフリカ現地で全編撮ったかどうかは知らないけど(笑)。今作は町山智浩著「トラウマ映画館」(集英社刊)に掲載された1本。この本で紹介された作品はその後、続々ソフト化しているので、業界的にも多大な功績をもたらせたと思う。筆者は最近、いい年こいてから観た人なのでトラウマにはならなかったが(笑)。
19世紀のアフリカー。象牙を目当てに狩りをする白人ハンターたちが奥へ奥へと進んでいた(→ワイルドは現地事情に通じた白人ガイド役で、役名はなし)。傍若無人に振る舞う彼らに対して、原住民の怒りが爆発!捕えられた彼らはハンター達を皆殺しにするものの、友好的だったガイドの命は助ける。ところがそれは追手たちの追撃を交わし、逃げ延びることが出来たら・・・という条件だった!服を脱がされ、武器さえないガイドの単身逃避行が始まったー!!
町山氏は先述の著書において今作はメル・ギブソンの「アポカリプト」(’06)の元ネタではないか、と論じている。筆者も「アポカリプト」観ていたので、その指摘を意識しつつ観ていましたが・・・うん、確かに似てる!!展開もそっくりだし。パクったかどうか、メル・ギブのコメントを聞いてみたいところ(笑)。
60年代の作品なので、現在のアクション映画の作り方と比べると編集のテンポとか少々ゆるく感じるけど、当時にしては結構なバイオレンス描写もあるし(血、ドバーッ)、アフリカの風景に加え、原住民女性のおっぱいも大量に出てくるので見世物小屋映画に客を呼ぶ必要な要素は全て入っている(笑)。勿論、<他所の土地で暴れまくる白人の蛮行>という白人批判も入っているので(奴隷にするため現地の黒人たちをハントするシーンも有り)、現在でも十分通用する作品だ。
「大傑作!」とまでは筆者は賞賛しませんが、なかなか面白かったですよ。ようやくソフト化&低価格化したので、是非お時間あるときに白人ガイドのバトルの様をご鑑賞くださいませませ♪
・・・なんかホントに忙しくて疲れちゃって、園子温監督(←園さんも最近、「新宿スワン」とか「リアル鬼ごっこ」の新作とか多作化して三池さんみたいだな)の「ラブ&ピース」さえ観に行く意欲が失せてきた(←これも「極道〜」同様、はちゃめちゃな設定なので、ハズす可能性も大ではないのだが・・・)。もう完全に・・・年か!?