其の519:2013年、トルナトーレで締める

 2013年、最後に劇場で観たのはイタリア映画「鑑定士と顔のない依頼人」になった。ジュゼッペ・トルナトーレの映画でその年を締めくくるのは2010年以来(「シチリア!シチリア!」)^^。
 ところがこの映画、都内でなんと2館しか上映してない(怒)!そのせいもあるのだろうが・・・先週朝イチで観に行ったら満員御礼で席が取れなかった(じぇじぇじぇ)!!で、再度劇場に駆けつけて、ようやく鑑賞出来た次第。いや〜、こんなことは滅多にないヨ、マジで。


 天才美術鑑定士にして名オークショニアでもあるヴァージル・オールドマン(=「英国王のスピーチ」のジェフリー・ラッシュ)は、ある日、クレアと名乗る女性からの電話を受ける。亡くなった資産家の両親が残した美術品を査定してほしいという依頼だった。そこで屋敷を訪ねるものの、クレアは何かと理由をつけ姿を現さない。そんな中、ヴァージルは屋敷の地下室で歴史的価値を持つ機械人形「オートマタ」の一部を見つける。ヴァージルはオートマタの部品探しと共にクレアの正体を探ろうとするが・・・!?


 キャッチコピーに“極上のミステリー”と書かれていたので「トルナトーレ、路線変更か!?」と思ったのだが(→劇場につめかけた人々は彼のファン&ミステリーマニアだと推察される)・・・結果、ミステリータッチで描いた「人生映画」だったので安心した^^。

 このブログはネタばれ禁止をモットーにしている分、なかなかストーリーが書きにくいのよねぇ・・・。中盤、大きな展開が訪れ、終盤に<<<<ドッカーン!!!>>>という展開になるのだが・・・そうなるであろうことは途中で読めちゃった(残念)。「ミステリー」の観点で考えると、その辺りは甘いんだけど(意味深な台詞があちこちにあるし)先述したように「人生映画」として観れば、なかなか深く味わい深い面白い映画ですよ、これは(詳しく書けなくてめんご)。

 名優ジェフリー・ラッシュは勿論のこと、ドナルド・サザーランドや「アップサイドダウン 重力の恋人」のジム・スタージェスたちの演技もいいし(→今作はオールイタリア人によるイタリア映画ではないのダ)、中でも劇中登場する<ヴァージルの隠し部屋>にある女性の肖像画の数々(ルノワールからゴヤ、モディリアー二・・・えとせとら)は圧巻!!名画ファン垂涎のコレクションルームだろう。筆者もこんな部屋欲しい^^!機械人形「オートマタ」が次第に出来上がる様は・・・ちょっとマーティン・スコセッシの「ヒューゴの不思議な発明」を思い出したけど(笑)。


 映像だけ観ても・・・この安定感と重厚感は・・・トルナトーレも“巨匠(マエストロ)”の域に達したね。そこに流れるエンニオ・モリコーネの音楽・・・!
 2人のマエストロによる映像を堪能して2013年は終わるのだった(チャンチャン♪)

 
 
 <どうでもいい追記>次回は「2013年の総括」!といいつつ年内に書けるのか!?