其の265:この春の新作映画2本!

 半月ちょいで番組を2本仕上げました。いや〜・・・疲れたなぁ。どちらも個人的には「徒労」に終わったけど(苦笑)。おかげで4月は1度も映画館に行けず、そのストレスで久々に映画を2本はしごしてしまいました!金田一耕助最終回の項は次回に書きますわ。

 
 まずはサスペンス映画「ブラックサイト」。今年43歳になるダイアン・レインが主演(夫と死別した子持ちのFBI捜査官役)。彼女はジェニファー・コネリー同様、一時期「脱ぎ要員」としてアッチの世界にいましたが、戻ってこられてよかったよかった^^
 ストーリーは・・・拉致された人物がウェブサイト上で公開処刑される猟奇事件が発生。それもサイトのアクセス数によって犯人が仕掛けた装置が作動し、拉致された人が死に到るという非常に凝ったもの。やがて捜査に加わったFBIのメンバー(演ずるのはなんとトム・ハンクスの息子!)も犠牲となり、その結果ダイアンは犯人を特定することに成功するのだが、犯人の魔の手は彼女の周囲にものびていく・・・。
 ・・・というように、正統派のサスペンス映画(予算レベルはB級)。犯人が施す凝った殺人装置は「ソウ」シリーズのジグソウ大先生を彷彿とさせる。で、処刑装置を作動させるのがPCのアクセス数というのが今作のミソ。好奇心でアクセスする世界中の人々が、知らず知らず殺人に加担することになるのが如何にも現代的であり、匿名性の高いネット社会への警鐘にもなっている。こういう新しいアイデアが盛り込まれた映画はいいね^^
 このテの作品の多くは<主人公のそばにいるのが犯人>というオチが多いのだが、今作では中盤で犯人を明かしてしまうし、ラストは・・・いかにもハリウッド風味。この辺りは人によって評価が分かれるだろうが、筆者的には「あり」!大傑作ではないけれど、よくまとまった小品(犯人の犯行理由は哀しい)でした。それにしても後ろの席にいた女子高生共がうるさくてマイッタ!

 
 続いて観たのが「クローバーフィールド HAKAISHA」。アメリカではタイトルさえ出ない「謎の予告編」が話題になりましたが・・・ぶっちゃけ「怪獣映画」。どうも日本ではいまいちヒットしなかったようで、あやうく上映が終わるとこだった!危ない危ない。「サスペンス映画」に「怪獣映画」・・・「芸術映画」とか「恋愛映画」をチョイスしないのが、このブログの筆者らしい(苦笑)。
 ニューヨーカーたちが日本に転勤(一応、栄転)する友人の「さよならパーティー」を開いていたところ、突然街の一角が大爆発!参加者たちはわけもわからずダッシュで逃げるものの、次々と巨大な<なにか>の攻撃によって犠牲となってゆく。そんな中、喧嘩した彼女がアパートに取り残されていることを知った転勤男性と仲間たちは、女性を救出すべく移動を開始するのが・・・。
 「怪獣映画」ではありますが、全編一市民が撮影した「ホームビデオ」で語られるのが今作最大の特徴。当然、カメラアングルは終始揺れまくってます(苦笑:出演者もリアリティー狙って、メジャーな人出てないし)。ネタバレしない範囲で書くなら「食人族」プラス「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」テイストの怪獣映画(=分かる人はこれで分かる)。リアルに考えれば、こんな状態で延々ビデオ回してジョーク飛ばす奴はいない(笑:その会話を聞いて笑ってたのは筆者と隣に座ってた外人さんだけ。日本人はユーモアが分からんなぁ〜)。
 企画&プロデューサーはJ・J・エイブラムス(監督は別の人)。「M:i:Ⅲ」のプロモーションで来日した彼が子供を連れておもちゃ屋を回ったとき(=日本製玩具は精密につき外人からの評価高し)「ゴジラ」のフィギュアを見て今作のアイデアを思いついたそうだ。成程、それで主人公は「日本へ転勤」する設定なわけね・・・わかりやすい^^ちなみに邦題にしかつかない「HAKAISHA(破壊者)」の副題はエイブラムスこだわりのご指定なんだと。
 先の「ブラックサイト」と同じく、これは<新機軸の怪獣映画>だ。その分、映像もストーリーもモヤッとして明確じゃない分、「ゴジラの国の民」である我々には多少の不満もあるだろうが、これも筆者的には「あり」!ローランド・エメリッヒ版「ゴジラ」より遥かにマシだ(爆笑)!!
 
 
 どちらも大傑作ではありませんが(両作ともラストは少々、蛇足気味)トホホ作でもなく、新しいアイデアが取り入れられた作品だったため、ほっと胸をなでおろした筆者であります。ストレス解消で観にいった映画が駄作だった時ほど、ブルーになることはないので^^