其の66:オードリー・ヘップバーンの最高作は・・・!

 日本人はオードリー・ヘップバーンが好きである。無論、筆者も!非の打ち所のない完璧なマスク、スレンダーなボディ、そしてどことなく上品で清楚な雰囲気(貴族の血を引いてるから当然といえば当然か)・・・。もう、こんな女性が現れる事はないだろう。永久に。
 で、そんな彼女の出演作はメジャー作ばかり!監督や共演者に恵まれた事もあるだろう。その中でも筆者のイチ押しはーやはり「ローマの休日」と「昼下りの情事」という結果に落ち着く。ジャッキー・チェンの最高傑作が「プロジェクトA」と「ポリス・ストーリー/香港国際警察」の2作品、どちらが<上>だと言えないのと同じだ!!
 初主演にしてアカデミー主演女優賞に輝いた「ローマの休日」は巨匠ウィリアム・ワイラー監督作(「ベン・ハー」ほか)。王女に扮したオードリーが輝くばかりにその魅力をスクリーンに振りまく。彼女の人気を決定付けた1本といえるだろう(実はこれ某国王室の、とある悲恋話が元ネタ)。新聞記者を演じた相手役のグレゴリー・ペックも好演!ラストの切なさといい、永遠に語り告がれる<おとぎ話>だと思う。

 もう1本の「昼下りの情事」は、「ティファニーで朝食を」ほかより何故か知名度が低いのだが、「ローマ〜」に匹敵する大傑作!!監督は「麗しのサブリナ」でもオードリーを演出した名称ビリー・ワイルダー。彼の「お熱いのがお好き」より出来がよいと個人的に思っている。パリを舞台に、プレイボーイの富豪(ゲーリー・クーパー)と恋の駆け引きをする音大生がオードリーの役柄。ワイルダーだけにさんざん笑わせて、最後に泣かせる緩急の妙!オードリーが健気でいじらしく、観ている者の涙腺を緩ませる感動必至作。
 オードリーが亡くなった時、エリザベス・テイラーはこんなニュアンスのコメントを残している。「もっとも美しい天使が神の元へ戻られた。」スピルバーグ監督による遺作「オールウェイズ」の役は天使だった。彼女らしい一生をまっとうしたと言えるだろう。合掌。