其の40:これは外せない!「ニュー・シネマ・パラダイス」

 「ニュー・シネマ・パラダイス」・・・申し訳ない・・・大メジャー作。傑作である。ここで紹介するまでもないのは分かっているが「ニュー・シネマ・パラダイス」が大好きなんだっ(開き直り)!筆者は当時「新作映画紹介番組」で水野晴郎先生のイチ押しという事で劇場に足を運んだ。だが、その番組で先生が有難い事(?)にオチまで語ってくれたので感動が半減した苦い思い出がある(苦笑)。

 映画大好きトト少年(後に映画監督。・・・演じたカシオ少年は今??)と映写技師アルフレードの交流。成長したトトの愛と青春、そして旅立ちー。以前、「太陽を盗んだ男」で知られる長谷川和彦監督が「映画とはそもそも<男の子>の為のものだと思う」という旨の文章を書かれていたが、筆者も同感(婦女子の方、失礼)。この映画こそ正に<男の子映画>だと思う。かつてフランソワ・トリュフォージャン・ルノワールの名画「ゲームの規則」を「映画狂のバイブル」と評したが、「ニュー・シネマ〜」も是非「バイブル」に加えたい。全編、これ映画愛に満ちているからだ。

 おかげでこれ以降、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の作品はほぼ全てリアルタイムで観ているが(「ニュー・シネマ〜」はまだ彼が30前半で手がけた作品。脚本も彼。天才だ!)今作を超えた作品はまだ出ていない。余談だが、後に発表されたバージョンより、最初の公開版の方が筆者の好み。主人公が売春婦を買って童貞捨てるシーンは・・・観たくなかったな!次回作に期待しよう(「マレーナ」のあれだけオナニーしまくる少年は・・・映画史上初という別の意味では面白かったが)。勿論、エンニオ・モリコーネ御大の音楽も最高である事は言うまでもない(昨年、彼の来日コンサートで<生>で聴いた時は感激した)!

 ・・・筆者が業界に入って、先述した水野先生にインタビューする機会があった。で、つい「シベリア超特急」について「早く続編を作って下さい」と心にもないヨイショをしてしまった。それがいまのシリーズ化に影響していたとしたら・・・少し胸が痛む(笑)。