<其の783>笑えるロマンポルノ「黒薔薇昇天」短評

 めちゃめちゃ忙しい10月・・・です(コロナ渦でいいんか?)!帰宅は大半が24時頃か深夜タクシー帰り(とほほ)。その間、ゴダール仲本工事さんがお亡くなりに(合掌)・・・肉体的にも精神的にもキツいわ・・・。

 

 本題。近年、日活ロマンポルノが“リブート”されてますな。前にも書いたけど、筆者はリアル世代ではないので完全に“後から派”!玉石混合のロマンポルノではありましたが、今回は鬼才・神代辰巳監督の「黒薔薇昇天」(’75)をサクッと書きマス。上映時間が72分だから、映画もサクッと観れるゾ(笑)!

 

 関西でブルーフィルムの製作者兼監督をしている十三(=岸田森!!)が旅館で撮影していたところ、女優(芹朝香!)が妊娠した為に中断を余儀なくされる。そんなある日、十三が副業のエロテープを制作していると、歯科医で隠し撮りしたテープに密会する歯医者と患者の声が録音されていた。声の主は妖艶な和服美人(=谷ナオミ!!)。彼女を起用して撮影を再開するべく、十三は彼女に接近するが・・・!?

 

 原作は藤本義一先生の「浪速色事師」。神代は脚色も兼任している。<大阪でブルーフィルム作ってる主人公>というと、今村昌平監督作「人類学入門」(’66)を想起するけど、主人公は今村や大島渚のような芸術監督を目指している、という設定だから(原作未読につき、元々あった設定か神代が足したのかは・・・誰か調べて^^)筆者が思い出した事もそんなに外れてない気がする(笑)。

 見所は・・・とにかく怪優・岸田森の怪演(まんまや)!!関西人特有(なのか?)のバイタリティーで、谷ナオミをガンガン口説きまくる(笑)。このパワー溢れる(?)シーンは必見^^。他にも笑いどころ含め書きたい事いろいろあるんだけど、なんせ映画の尺が短いので、書いていくとあっという間にクライマックスの展開まで進んじゃうから、この辺りで(あしからず)^^

 

 この他、映像もアングルの妙に長回し、更には編集、使用楽曲に至るまで低予算のロマンポルノながら、なかなか凝った作り。筆者は淫靡な・・・ヌメヌメしたような作品は苦手なのだけど、これは大丈夫だった^^。神代流コメディポルノ、恐るべし。