<其の782>映画「ガリレオ」シリーズ第3弾「沈黙のパレード」短評

 早くも今年も残り3か月とちょいですよ!コロナ3年目にして、今年も国内外いろいろあったなぁ・・・。コロナ渦とウクライナの戦争は一刻も早く終わってほしい。

 

 筆者はミステリー好きとして東野圭吾作品のファンでもあるのですが、映画「真夏の方程式」(’13)に続く「ガリレオ」シリーズ映画第3弾「沈黙のパレード」を観ました。映画館行ったのは・・・「シン・ウルトラマン」以来(苦笑)。絶賛公開中につきネタバレせぬようサクッと書きますわ^^。

 

 東京・菊野市ー。歌手デビューも決まり、将来を有望視されていた町の人気者・並木佐織が行方不明になった。3年後、彼女は静岡県で白骨遺体となって発見される。逮捕されたのは蓮沼寛一(=村上淳)。彼は、かつて草薙刑事(=北村一輝)が捜査した少女殺害事件で逮捕されたものの完全黙秘を貫き、無罪となっていた。今回の事件でも蓮沼は前回同様完全黙秘を貫いたため証拠不十分で釈放されてしまう・・・。

 アメリカから帰国した湯川学教授(=福山雅治)は、現在、菊野市内で研究に没頭していた。内海刑事(=柴咲コウ)は草薙の心情を思い、内密に彼の親友・湯川に相談するも、いつものように湯川から素っ気ない態度を取られる。

 1か月後ー。湯川は定食屋“なみきや”の常連客として、店を経営する佐織の家族やその友人、知人たちと交流を持つようになっていた。そんな中、なんと蓮沼が店を訪れ、一同を挑発。彼はここ菊野市で新たな生活を送っていたのだ。蓮沼を店から追い払うも、街の人達に彼への憎悪が燃え上がる・・・。

 数週間後、市内の一大イベントが大々的にとり行われた日、蓮沼が居候していた家で殺される。警察は並木家と彼らをとりまく人々を捜査。全員に動機があるものの、だが全員にアリバイもあった・・・。捜査が難航する中、湯川は草薙、内海と共に真相解明に乗り出すー。

 

 面白そうな設定でしょ!某有名作が発想の元だそうだけど^^。粗筋ではとても書ききれない程、キャラクターが多い今作(よって映画は豪華キャスト)。映画は2時間10分に収める為、それでもまだ細かい人物はカットしてるけど・・・。東野先生は長編をうまく纏めた点や湯川と草薙の友情に重きを置いた点も踏まえて今作を絶賛している。筆者的には・・・確かにうまく纏めたなぁとは思うし、普通に面白かったけど、もう少し尺とって、並木家の人々と友人達を描いたら、もっと映画に厚みが出るのになぁと思った次第(最初の脚本は映画にしたら4時間を超えるものだったそうで)。ちょっと展開がアップテンポ気味だしね。

 お久しぶりに“復活”した湯川(福山)、草薙(北村)、久々復帰の内海(柴咲)のトリオを観るのは、これまでのTVシリーズや映画観てた側からして嬉しかった(柴咲は映画公開にあわせて放映された新作スペシャルドラマに出てなかった)。湯川の「実に面白い」の台詞もでてきたしね(笑)。

 でも、なにより驚いたのが佐織の父・並木祐太郎を演じた、ずん飯尾の好演(マジです)!!劇中ではトレードマークの眼鏡を外して、超シリアス演技を披露。撮影の合間には、いつもの調子でギャグを披露して、柴咲らを笑わせていたそうだが・・・いや~、うまかったなあ。これから行われる沢山の映画賞の中で、助演男優賞をノミネートあるいは受賞するんじゃないかしら^^。

 

 個人的には全体の完成度は映画1作目の「容疑者Xの献身」の方が上だと思うけど、さすが東野ミステリーだけあって、ストーリーは二転三転しますから❤重いテーマを扱ってはいるものの、良質のエンタメ作としてお薦め。是非、ヒットしてもらって「透明な螺旋」も映像化してほしい!!