其の499:これから公開の映画2本

 ・・・またまた間が空いてしまいました(焦)!もう6月・・・今年も残り半分になっちゃったよ(早過ぎっ)!!
 今年は意識して試写会に出かけるようにしてるんだけど、これから公開される映画2本をさくっと寸評!勿論、ネタバレはしません^^


 
 まず1本目は韓国映画「ベルリンファイル」。ドイツ・ベルリンを舞台に“ゴースト”と呼ばれる北朝鮮の諜報員と韓国国家情報院のエージェントらのハードバトルを描いたアクション巨編ざんす。


 ドイツの首都ベルリン。北朝鮮の謎の諜報員(=ハ・ジョンウ)がアラブ系組織と武器の取引を行うとの情報をキャッチした韓国国家情報院のエージェント:ジンス(=ハン・ソッキュ)らはハイテクを駆使してその様子を監視していたものの、思わぬ他組織の乱入により男を取り逃してしまう。からくも脱出したスパイ:ジョンソンは韓国側に情報が漏れていたことに一抹の疑惑を抱く。そんな中、ベルリンの北朝鮮大使館で通訳官を務める妻:ジョンヒ(=チョン・ジヒョン)が本国で“二重スパイ”ではないかと疑われていることを知る。ジョンソンはジョンヒの潔白を証明する為、彼女を尾行したのだが・・・!


 韓国&北朝鮮工作員バトルを軸にドイツ政府からCIA、さらにはモサドまでが絡むスケールの大きな設定。「複雑かつ緻密なストーリーが展開されるんだな・・・」と思って少々構えて観ていたら、それほど複雑ではなかった(笑)。シンプルなアクション映画ファンの方もご安心めされよ^^
 「チェイサー」でデリヘル嬢しばいてたハ・ジョンウと「シュリ」でも同じエージェント役演ってたハン・ソッキュの戦いは→さながらマイケル・マン監督作「ヒート」のロバート・デ・ニーロアル・パチーノのよう!主人公(ハ・ジョンウ)におねーちゃん(チョン・ジヒョン)がいるのも似てるよな。もっとも今作は恋人じゃなくて奥さんだけど(笑)。「猟奇的な彼女」の時のジヒョンは可憐だったが・・・彼女は今では30代、ちと老けてたな〜(残念)。
 監督は「生き残るための3つの取引」ほかの作品を撮ったリュ・スンワン。ドイツほかで長期ロケを敢行、二転三転するストーリー(=設定に早くも現北朝鮮の内部事情を取り入れてるのが面白い)に大がかりなアクションもふんだんにあって観ていて飽きない。<クライマックス>は→どう見ても「西部劇」の設定にお約束の“お涙頂戴”もあり(韓国の人は好きだね〜^^)。リュ・スンワン監督は今後もっと活躍しそうな気配濃厚^^。出来は満点ではないけど(最後の最後は・・・作劇的には仕方ないかもしれないけど、なくても良かった気がしないでもない)なかなか楽しめる一作。



 そして2本目がハリウッド映画「アイアン・フィスト」。
 クエンティン・タランティーノ作品に楽曲提供しているヒップホップ・アーティスト:RZA(←レザと読む)がそのタランティーノのバックアップ(←おそらく名義貸しだけ)で初監督を務めたアクション映画(主演・監督・共同脚本・音楽の4役)。まず粗筋はと言うと・・・  ↓ ↓


 時は19世紀。中国のとある辺境の村でー。黒人の鍛冶屋ブラック・スミス(=RZA)は恋人の娼婦の足抜け資金を稼ぐため武装集団に依頼された武器を日々作り続ける寡黙な男。そんなある日、村に移送中の皇帝の金塊5万両が運び込まれることが分かった。村での金塊の警護を武装集団「猛獅会」が依頼されたものの、金に目がくらんだ銀獅子、銅獅子らによってリーダーの金獅子は暗殺され、金獅子の息子:ゼン・イー(=リック・ユーン)も重傷を負う。その頃、謎の外国人ガンマン:ジャック(=ラッセル・クロウ!)が村に現れる。ゼン・イーをかくまったことでブラック・スミスは銀獅子らによって拷問を受け、更に両腕を斬り落とされてしまうー!!


 簡単に書くと、今時のワイヤーアクションにCGを使ったカンフーとマカロニウエスタン山田風太郎テイストをごっちゃまぜにしたバイオレンス・アクション映画。肉体が鉄(?)に変化するもはや人間じゃないキャラまで出てきて(笑)、RZAが好きなものが全てぶちこまれている“RZAによるRZAの為の脳内妄想作品”!共同脚本のイーライ・ロス(「ホステル」シリーズ)もノリノリで書いた気がする^^。冒頭から主人公によるナレーションが多々入る&脇キャラのストーリーが長い・・・んで「RZAは狂言回しなのか?」と思ってたら、後半から急にメインに躍り出たんで驚いたけど(笑)。
 なによりの見所は、多少の演技経験があるとはいえ・・・<歌手の初監督作品>に集った豪華俳優陣!カンフーがメインの映画だけに中国系カンフー俳優大量出演のほか、アカデミー俳優ラッセル・クロウは・・・<引き金を引くとジャックナイフが飛び出す仕込み銃の使い手>という、もろマカロニウエスタンキャラなのだが・・・娼婦役の女性たちと絡みがある美味しい役だから受けたな、こりゃ(→RZAと「アメリカン・ギャングスター」で共演して仲良くなったらしい)。娼館の女主人役:ルーシー・リューも「キル・ビル」以来のアクションを見せる。主人公の母役(回想)でパム・グリアも出るんだけど・・・すげー太っててショックだったナ(哀)。
 アクションあり、バイオレンスあり・・・娼館内部でのHシーンはあるのに、おっぱいは出ない・・・に加えて、観た後いくばくかの“物足りなさ”を感じた。そこで熟考したところー「キル・ビル」同様、主人公の<●●へ至る●●●(→詳しく書けないのがつらい)>が弱いから・・・だと分かった。聞いた話では当初3時間あったものを上映時間の関係で半分に切ったそうだが(それで前半、ナレーション説明が増えたらしい)筆者の指摘を直すには後半の編集をし直さないと。もし今作の「ディレクターズカット」がDVDなりで出て再見した時に評価は変わるかもしれないけど現バージョンでの点数は「100点満点中70点」といったところか。暇つぶしには十分!

 
 にしても韓国で大作アクション、ハリウッドでカンフーのハチャメチャ活劇ってー作る映画が逆じゃないんかい?まぁ、そこが現在の映画事情の面白いところでもあるけど♪



<どうでもいい追記>次回、遂にジャスト500回!我ながら・・・よく続いたものだ(自画自賛)。なにを書こうかな〜・・・でも「2013年上半期振り返り」になる可能性大(忙しいのよ:苦笑)。