其の235:川口浩を越えた(笑)「アナコンダ」

 そういえば「パニック映画」をこのブログで余り書いてなかったですね!中でも「動物パニックもの」は、ご存知スピルバーグの「JAWS/ジョーズ」の大ヒットがきっかけで一時期、このジャンルの作品が大量に公開されました(その前にも「黒い絨毯」とかあるけど)。「オルカ」や「グリズリー」、「アリゲーター」に「ピラニア(監督は「グレムリン」のジョー・ダンテ。続編「殺人魚フライング・キラー」はあのジェームズ・キャメロンのデビュー作!但し、この作品に関して質問するとキャメロンは怒るそうな)」・・・いろいろ観たなぁ(苦笑)。なんでも去年か今年、ニュージーランドでは羊が人を襲う映画も公開されたという(爆笑)。今回ご紹介する「アナコンダ」(=蛇っす)は今から10年前のもの。どう考えても「B級」だが、主演はなんとジェニファー・ロペス!!無駄に豪華でいいぞ^^


 物語の舞台はアマゾン川流域。伝説の部族のドキュメンタリーを撮影するため現地にやって来た女性ディレクターのテリー(=ジェニロペ)と文化人類学者ケイル(エリック・ストルツ)らスタッフ一行はその探索中(=船で旅してる)、蛇の密猟をしているという謎の男サローン(ジョン・ヴォイト)を助ける。部族の姿を見た、というサローンの証言を信じて案内を頼む一行。ところが途中、ケイルが猛毒の蜂に襲われ重体!病院に向うためサローンの指示通り、川の支流を進んでいくのだが・・・そこには人間の想像を遥かに越える巨大なアナコンダが待ち構えていた!!


 このテの映画は端から見れば「そんな危険な動物のいる所から非難すればいいじゃん」で終わるのだが(笑)、実はこの映画には<ある陰謀(?)>が隠されていて、アナコンダ接触するハメになるわけ(竜巻が発生した所に主人公が移動する「ツイスター」と同じ趣向。もっとも今作の場合は主人公が望んだわけじゃないけど)。そんなモンスターに加えて、人間同士の争いも加わるのが新機軸、ではある。観客はそんな登場人物たちが次々襲われる様子を眺めていればいい(笑)。


 冒頭にも書きましたが出演者は豪華!ノーブラのジェニファー・ロペスを筆頭に「恋しくて」のエリック・ストルツ、「Friday」のアイス・キューブ、「エネミー・ライン」のオーウェン・ウィルソン(音声さん:笑)、冒頭アナコンダに殺される役で「デスペラード」のダニー・トレホ、そして「真夜中のカーボーイ」の主演&アンジェリーナ・ジョリーの実父で知られるジョン・ヴォイト!何故、これほどのメンバーがこの作品に集まったのかは・・・「WOWOW」こと「日本衛星放送」が出資してるので(「フランケンシュタイン」、「クイック&デッド」に続く3本目)、ギャラのよさと秘境ロケに魅かれて受けたに違いない(笑:本当にアマゾンで撮影したか知らんが)。


 監督は「山猫は眠らない」や「スペシャリスト(スタローン&ストーン!)」のルイス・ロッサ(=ジャングルを舞台にした作品をよく作ってる)。この御仁、「ゴジラ」や「ジョーズ」などの<定番パターン>と異なり、割と早めにアナコンダの姿を惜しげもなく見せちゃう(苦笑)。その分、若干サスペンス色が薄まった気もするが(人間の争いもあるし)これも新しい動物ものを作ろうと考えたロッサの狙いーだと好意的に観てあげよう^^中身はB級ながら「空撮」や「水中撮影」もバンバン入るし、テンポもいいので次第に「アマゾン川旅気分」になってくる(あるいは「地獄の黙示録」か)。


 肝心の「アナコンダ」には「アビス」や「フリー・ウィリー」を手掛けたウォルト・コンティによる<アニマトロニクス>とCGを駆使。おかげでアナコンダの動きが早い早い!崖から落ちる人間をも空中で捕獲。で、一瞬にして人間をグルグル巻きにして頭からパックンチョ(爆笑)!この迫力とスピード感溢れる映像は一見の価値あり。こんなもんに狙われたらたまったもんじゃありませんな。監督のロッサ以下、撮影、音楽、美術、編集共々ハリウッドの一流スタッフが参加しており、上映時間もタイト(89分)でGOOD!ただ、真面目な映画ファンはそっぽを向くかもしれないけど(苦笑)。「最悪映画賞」で知られるラジー賞にノミネートされたけど、<娯楽作>としてはいい出来ですよ。正月や暇な時に頭からっぽにして観る分には最適だと思います^^


 
 <余計な追記>先日、ジム・キャリー主演のサスペンス・ミステリー「ナンバー23」を観たのですが・・・ミステリーとしてはかなりのアンフェア!ア○○・ク○○○ィの某有名小説とオチが一緒(ネタバレ防止のため一応、伏字)。似たような趣向のM・ナイト・シャマランによる「アンブレイカブル」や「サイン」、リチャード・ギア主演の「プロフェシー」よりは多少はマシだと思うけどさ(苦笑)。