梅雨真っただ中ですが・・・激熱だね(パチンコか^^)。将来的にもこんな夏が毎年くるのかと思うと、、、気が重いなぁ(トホホ)。
先日、はじめて映画「不連続殺人事件」(’77)を観ました。なぜなら「堕落論」他で知られる作家(でミステリーマニア)坂口安吾の同名小説を・・・ようやく読み終えたから^^。原作は登場人物が大量で、読むのもなかなか大変なんだけど、映画は原作をほぼまんま踏襲している野心作、、、だったけど、ちと残念な出来だったな。
頭でキチンとキャラ紹介していないから(警察サイドのキャラは一部オミットしてるものの)、観客が大して認識していない内に登場人物がポンポン殺される(苦笑)。その点、市川崑の「金田一」シリーズはキャラ説明が巧かったな~、とつくづく思った(あとアガサ・クリスティーの「ポワロ」ものも)。低予算映画で知られるATGで、曽根中生監督も頑張ったとは思うけど、本格推理映画でわかりにくいのは観客が推理できないからダメ。大和屋竺や田中陽造、荒井晴彦ら豪華脚本家陣が脚色してこれじゃあねぇ・・・。故・内田裕也さんは今作でもイメージ通りで良かったけど(笑)。
“原作ものは脚色大事”とフリながらもさほど関連なく、今回の本題に(笑)。
ジェームズ・ホエール監督の大ヒット映画「フランケンシュタイン」(’31)に登場する<人造人間キャラ>を知らない人はそうそういないと思いますが(さすがに人造人間の名がフランケンだと思っている人はもういないよね?フランケンシュタインは人造人間を造った人の名前です)、これの“続編”「フランケンシュタインの花嫁」(’35)を知ってる人は、、、ちょっとディープな映画ファンしかいないような気がする(苦笑)。しかもジェームズ・ホエール監督と人造人間演じたボリス・カーロフも再登板!最初のだけ観てる人は「あれに続きがあるの!?」と思われるでしょうが・・・あるんですねぇ。それも予想外の入り方で続けるという・・・ヒット作の続きは必ず作ると言う、さすがハリウッド(苦笑)。
ストーリーの詳細はネタバレ防止につき避けますが、、、簡単に言えば、前作の人造人間にはその後の展開がありつつ、新たなマッドサイエンティストが登場。この人は瓶の中に入る極小人造人間作ってるんだけど(それだけでも十分凄いが^^)、それでは飽き足らずに等身大の女性の人造人間を作る為、フランケンシュタインに無理矢理協力させる・・・というお話。前作と今作併せてちょっとメアリ・シェリーの原作小説にちょっと近づいたものの、かなり強引な脚色ながら(笑)功を奏していると思う。原作に近い映画が観たい場合はケネス・ブラナー監督、主演作「フランケンシュタイン」(’94)を観てね。人造人間をロバート・デ・ニーロが演ってるよ♪
聞くところによればスタジオからの続編企画のオファーをジェームズ・ホエールは断ったそうだけど、彼が「透明人間」(’33)もヒットさせたことで(←CGのない当時としてはハイクオリティーの特撮映像!)、更にアプローチが加速。好きな作品1本撮っていいから、と条件をつけて承諾させたそうな。
1作目の“あの後”からの続き・・・ということで脚本作りは難航(やっぱり!)。脚本家が幾人も変わった上で、ようやくホエールが納得する脚本が完成したという(よくあるハリウッドパターン)。人造人間が<言葉を覚えて会話する>という部分をカーロフは反対したそうだが・・・これは原作にもあるので許してくれ!
昭和の東宝映画のような大特撮シーンもありで、原作とは全然違うラストをまたまた迎えたけど、これはこれで面白い映画になってる(あの世でメアリ・シェリーが観たら怒るかもしれんが)。個人的には前作より面白い^^。
「フランケンシュタイン」&「フランケンシュタインの花嫁」は原作重視してないけど、原作ものの映像化は今も昔も変わらず多い。100%完全な映像化は土台無理だが、いかに原作の魂を失わずに映像化するかが問われる今日この頃である。