其の682:いまさら「カメ止め」寸評

 寒い日々が続いております(しっかし、雨降らないね〜)。「働き方改革」関係なしでめっちゃ働かされて弱ってるから・・・インフルエンザが怖い!

 
 さて、去年の話題作「カメラを止めるな!」を今更ながら鑑賞しました。「無名の俳優、スタッフがワークショップで作った予算300万円の映画」でありながら驚異の拡大公開&ロングラン&大ヒット!なんと日本アカデミー賞にもノミネート、先日発売された「映画秘宝」のベストテンでも選者、読者投票共に1位(驚)と凄い事になってます(公開後、アイデア盗用問題が起きたのもここまでヒットしたからだろうし)。勿論、このブログではネタバレしませんのでご安心を^^。


 郊外のある廃墟にてー。「ゾンビもの」を撮影している撮影クルーが、突如本物のゾンビに襲撃される!!リアリティーを重視する監督は嬉々としてカメラを回し続ける。襲われたスタッフ、キャストは次々とゾンビ化していくがー!?


 ・・・書けるのはここまで!これ以上書くとネタバレ!!興味のある方は是非ご覧下さい。「こういうことか!」とビックリすること間違いなし。筆者も初めの内は「無理に長回ししなくてもいいのに」、「この下手っぴなカメラワークは何!?」とか、何でここまで褒められてるのか分からなかったけど・・・こういう話だったとはねぇ。素直に面白かったですよ^^。これまで山ほど作られたゾンビ映画にまた新しい風を起こしたとも思うし。まぁ、これまで観た最高の映画とまで筆者は言わないけどさ(笑)。ちなみに筆者が予想していた展開は「ゾンビの他、ヴァンパイアや狼男、フランケンシュタインとかも現れて収拾つかなくなって終わり」・・・だったが、全然違ってた(爆笑)。

 海外では「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」とか“低予算”でも大ヒットした映画は幾つかあるけど(で、後にメジャー監督になってたりする)、日本映画でここまでのヒットって・・・他にあったかしら!?スピルバーグ出世作となったテレビ映画「激突!」同様、「話が面白ければ、予算は関係なし」を改めて認識させる内容になっている。

 北野武監督は「日刊スポーツ映画大賞」の時、今作の上田慎一郎監督(脚本、編集も兼任)ご本人に「今回の下手うまが、次の作品で予算を貰ったらどうなるか」という旨を話していたけど・・・デヴィッド・リンチしかりコーエン兄弟しかり、低予算の話題作作った後、スタジオから大予算を与えられて作った映画が・・・スベる傾向にある。アングラ精神と商業性を兼ね備えて一本仕上げるのは、まだ経験値の浅い監督はなかなか難しいもので・・・。今作の成功で勇気を貰った若い映像作家も大勢いると思うし、ホントに上田監督には次回作、頑張ってほしいと思います!

 
 ・・・あと怖いのは「300万でもヒット映画を作れる!」と勘違いする映画プロデューサーが大量発生しない事!映画はあくまで「面白いお話」が重要なのであって、「低予算」というワードの方ではないので。そこんとこ、何卒宜しくお願い致します^^

 ふと思い出したがリンチといえば・・・新しい「ツイン・ピークス」・・・観れてないなぁ・・・。