其の395:嘘から出たまこと?「マチェーテ」

 ・・・またまた多忙で間が空いてしまいました(汗)!
 久々にアニメ作品でも、と細田守監督の「サマーウォーズ」を考えたものの今回はやめて(笑)ロバート・ロドリゲスの「マチェーテ」を(全然違うやんけ)。ご存じの通り「グラインドハウス」中の<ウソ予告>をロドリゲスが「映画にする!」とブチ上げた時は冗談かと思ったけど、本当だった(それも予告通り強面のダニー・トレホ初主演で:笑)。完成したのはスティーヴン・セガールロバート・デ・ニーロジェシカ・アルバまで出るハードバイオレンスアクション!!それなのに超B級テイストなのが素晴らしい(笑)。でも首チョンパ他の残酷描写で<18禁>なので、青少年たちは観ちゃダメよん^^


 マチェーテ(=トレホ)は、巨大な山刀(→マチェーテ)を愛用する凄腕のメキシコ連邦捜査官。ところが、その強すぎる正義感ゆえ麻薬王トーレス(=セガール!)と衝突、組織に捕らわれた上に眼前で妻と娘を惨殺されてしまう。3年後ー。職を追われたマチェーテアメリカ・テキサス州で不法移民として日雇い作業に従事していた。そんなある日、ブースという男から不法移民者を厳しく取り締まるよう主張するマクラフリン議員(=デ・ニーロ)の暗殺を強要される。渋々、議員の演説会場に赴いたマチェーテだったが・・・それは罠だった!議員暗殺未遂の容疑者としてマチェーテは警察、そしてブース一派から執拗な追跡を受けるのだが!?

 
 お話自体は<フェイク予告>まんまで、過去に何百本と観たパターン(追われながら真相を究明していくっつーやつよ:苦笑)。「グラインドハウス」つながりで、冒頭にはわざわざフィルムに傷をつけてる念の入れようだ(でも今回は<次のフィルム紛失>はないので場面がいきなり飛ぶことはないのでご安心あれ^^)。見所は何と言ってもアクションシーンの数々だろう。銃撃戦に爆破は勿論のこと、巨大なナタで敵をスパスパ斬りまくるトレホの活躍は「子連れ狼」の拝一刀を彷彿させて素晴らしいの一言!但し、かなりエグい描写もあるので(例:かっさばいた相手の腸をつかんで窓からジャンプするとか^^)心臓の弱い方&婦女子は十分ご注意を。

 アクションの次に注目すべきは冒頭にも書いた<超豪華俳優陣>!!ロバート・ロドリゲス作品の常連俳優ダニー・トレホは、何でもロドリゲスとは親戚らしい。トレホは「マチェーテ」の名前で「スパイキッズ」にも出演しているが、どうやら今作は「スパイ〜」の前日談という設定のようだ。<フェイク予告>にも出ていた、これまたロドリゲス作品の常連、チーチ・マリンと凄腕の殺し屋に扮したトム・サヴィーニ御大が出ているのもファンには嬉しいキャスティング(笑:サヴィーニ先生、本業はどうした?)。これで更にアントニオ・バンデラスサルマ・ハエックも出れば完璧なロドリゲス作品だったが(笑)。
 マチェーテと敵対するロバート・デ・ニーロのワル政治家を筆頭に、ドン・ジョンソン(→「移民狩り」を行う自警団のボス)、そして<ラスボス>が珍しく悪役の極太親父:スティーヴン・セガール!!勿論、最後にはトレホとセガールの一騎打ちもあるので、どうぞお楽しみに^^!<きれいどころ>としてマチェーテを助ける捜査官にジェシカ・アルバ(→ビーチクは見せないもののシャワー・シーンあり)&お騒がせ女優リンジー・ローハンはおっぱい丸出しで頑張ってマス。

 「グラインドハウス」製作当時からロドリゲスは「グラインドハウス映画に社会派テーマは欠かせない」という旨の発言をしていたが、今作で取り上げたのが<メキシコからアメリカへの不法移民流出問題>。主にトウモロコシを生産していたメキシコ農村部だが、国際的な価格競争に負けて農村が崩壊、仕事を求めてアメリカにブローカーを介して不法に国境を越える人々が後を絶たないのだそうだ(今年、アリゾナ州では「新移民法」が成立。グリーンカードを持っていない人がバンバン逮捕されている)。そういった背景を抑えておくと、単なるエログロB級映画ではないことが分かるだろう。そういう意味ではラストの大バトルで、もう少しカタルシスが欲しいところだが・・・<エンドロール>では早々と「続編」のクレジットが出るので(笑)そっちに期待するか^^。エロもグロもない、すっかり無菌状態になった現在の映画(特に邦画)にお嘆きの貴方に、この「マチェーテ」をお薦めする。といっても、あくまでB級のプロイテーション映画なんで、過剰な期待はしないように(笑)!!


 
 <どうでもいい追記>ローカル特撮ヒロインドラマ「古代少女ドグちゃん」の続編のお話を業界内の噂として事前に聞いてはいたのだが・・・なんと今秋、女性グループもの流行の影響を受けて「ドグーンV(ファイブ)」なる<集団ヒロインもの>として放送中(またまたローカル局のみ)!井口昇、凄すぎる・・・。