其の582:衝撃の実話!!「ハットフィールド&マッコイ」

 今回は・・・このブログ10年目にして初めてTVのミニシリーズを書いてみようかと。劇場用作品ではないけれど、クオリティーや予算は映画並だから、どうぞご勘弁を^^。

 2012年9月発表の「第64回エミー賞」で計16個もの大量ノミネートに輝いたのが今回紹介する「ハットフィールド&マッコイ〜実在した一族VS一族の物語〜」!結果、「ミニシリーズ/TVムービー主演男優賞」など計5部門で受賞。あちらでは同年5月に「全米ヒストリー局」で放送され、ケーブル局史上最高の視聴率を獲得したとか。全3話で5時間近い尺あるんだけど、もうお話が凄いのよ!!

 
 南北戦争末期のアメリカー。ウェストヴァージニア州のアンス・ハットフィールド(=ケヴィン・コスナー)とケンタッキー州のランドール・マッコイ(=ビル・パクストン)は同じ部隊で戦っていたが、自軍の敗北を悟ったアンスは、ある夜、ランドールの説得にもかかわらず戦場から脱走してしまう。戦争終結後、全滅した部隊で唯一生き残ったランドールも心に深い傷を負って家族の元へと戻った。ところがアンスの叔父ジム・ヴァンス(=トム・ベレンジャー)がランドールの弟と口論の末、殺害したことやマッコイ家が飼育していた豚をハットフィールドの一族がいつしか所有していたこと等が起り、両家の間に軋轢が生じる。そんな中、アンスの息子・ジョンジーとマッコイの娘ロザンナは愛しあうようになるが、さらに両家の対立は激しさを増していき・・・!!


 19世紀末、州境となる川を挟んだそれぞれの土地に暮らすウェストヴァージニア州のハットフィールド家とケンタッキー州のマッコイ家。長きに渡る“抗争”の結果、当時のマスコミでも大々的に報じられ、アメリカでは「ハットフィールド&マッコイ」と言うと“ライバルとの激しい争い”を指す意味になるそうだ(驚)。“事実は小説より奇なり”・・・としか言いようがない。日本でも時々、隣人トラブルで事件が起きて報道されたりするけど、ヤクザ同士の抗争じゃあるまいし、2つの家族がさすがに何年もの間、殺しあうことはないからね〜、やっぱりアメリカは昔からスケールが違うわ(苦笑)。

 上記粗筋にも書いたようにテレビドラマとはいえ、俳優陣は豪華!プロデューサー兼任のケヴィン・コスナービル・パクストンがW主演で両家の家長を貫録たっぷりに好演。戦い好きのコスナーに対して(なにせ劇中の仇名が“デビル”)、耐えるパクストンは・・・ちょっと高倉健さんっぽい感じ。最後は勿論、爆発してバトルに参加するし(笑)。トム・ベレンジャーは・・・個人的には久々に観たせいか、大分老けて太ってた印象。でもいい感じで脇を締めてた。あとランドールの奥さん役が筆者の好きな映画の1つ「セント・エルモス・ファイアー」に出てたメア・ウィニンガムだったのはちょっと嬉しかったな!特に彼女のファンではないけどさ(笑)。

 監督はケヴィン・レイノルズ。同姓同名のスケート選手じゃない方ですのでご注意^^。コスナーとはこれまでにも「ロビン・フッド」(’91)や「モアイの謎」とかで仕事してる。かの“底抜け超大作”にして大コケした「ウォーターワールド」もこのコンビだが・・・今は忘れてあげよう(笑)。今作では奇をてらわず、正攻法で堂々とした演出を披露。両一族だけでも相当数出てくるキャラをうまい具合に描き分けてたのは感心した^^。これまでにこの話がまんま映像化されなかったのが不思議。以前は子孫の方々から許可下りなかったとかあったりしたかもしれんね。

 テレビドラマでありながら、当時の景観を求めてわざわざルーマニアでロケを敢行。あちらでオープンセットまで建ててる(凄)!加えて集められた銃器(←時代的には「西部劇」に入る時代)の半数は当時のものって・・・どんだけ予算かけとんねん!!さすがアメリカのテレビドラマもスケールが違う・・・といったところか。尺もそうだけど、全く飽きずに観られたし、本当に面白いドラマでした。両家の結末がどうなるのかは・・・粗筋に書いたのはまだ序盤で「ロミオとジュリエット」激似のあたりで書き止めているので、気になる続きは観てのお楽しみということで♪


 この本国アメリカではメジャーな「ハットフィールド&マッコイ」の話にヒントを得て書かれたある小説が1973年に映画化されます。さて、その作品は・・・!?以下、また今度❤