其の507:新機軸アクション「LOOPER/ルーパー」

 近年、CG技術の発展もあって、ちょっと趣向の変わったSF映画が増えてきた気がする。寿命を金で買う未来社会を舞台にしたサスペンス「TIME/タイム」や、まもなく公開予定の上下それぞれに重力がある双子惑星を舞台にしたファンタジー「アップサイドダウン 重力の恋人」・・・等々。

 今回紹介する「LOOPER/ルーパー」も・・・そのテの類のSFアクション。「(500)日のサマー」のジョセフ・ゴードン=レヴィットと先日「エクスペンダブルズ3」降板&“アクション映画卒業宣言(マジか?!)”をしたブルース・ウィリスが主演してマス^^。ふと考えてみれば・・・ジョセフが出演してた「インセプション」も変わった趣向の映画だったな^^!

 タイムマシンの開発が実現するものの、法律で使用が禁じられている近未来ー。だが犯罪組織は消したい<標的>をタイムマシンを使って30年前へ送り、そこにいる<ルーパー>と呼ばれる殺し屋を使って相手を始末させていた。そんなルーパー稼業を生業にしている孤独な男・ジョー(→ジョセフ・ゴードン=レヴィット)。いつものように彼の下へ標的が送られてきた。即座に射殺し、死体を焼却炉に投げ込んで今日もおしまい・・・の筈だった。ところが、その日、未来から来た男は、なんと30年後の自分(→ブルース・ウィリス)だった!!ジョーは未来の自分に隙をつかれて反撃された上、逃げられてしまう。仕事をミスした事で組織に追われる破目になったジョー。彼は生きるため未来の自分を捜すことになったのだが・・・実は未来のジョーが過去に来た事には“ある理由”があった・・・!


 ね、ちょっと面白そうな設定でしょ?!<過去の自分VS未来の自分>という図式が面白い^^。過去に何度も作られたようなベタベタな定番のお話に飽き飽きしてる筆者が興味を持つのも当たり前(笑)。宙に浮くエアバイクや、コインを動かすTK(念動力)とかSF的なマインドもちょっと出てくるけど、基本は現在と大して変わり映えしない世界観(服装なんか現在のまんま)なので、SF苦手な腐女子でも大丈夫^^ 
 
 まず初見で驚くのは・・・ジョセフ・ゴードン=レヴィットの顔がいつもと違うこと(驚)!あの優しそうな目元なんか・・・妙にキリリとして、全然違うし。日本だったら“整形疑惑”とか報道されそうだけど(笑)今作に限ってはそれもその筈で、未来の自分となるブルース・ウィリスに似せるため<特殊メイク>をしているから!おまけにちょいちょいウィリスの仕草も真似してるけど・・・2人が同一人物は・・・大分無理あるけど、そこは気にしないように(笑)。

 脚本&監督はこれが長編3作目のライアン・ジョンソン(長編デビュー作「BRICK ブリック」でもジョセフとタッグを組んでいる)。<回想シーン>で中国の上海が出てくるけど(→マジで上海ロケ敢行。その他は基本、本国アメリカで撮影)これは今作の製作費に中国資本が入ってるから・・・だと筆者は邪推してる(資本が入ってるのはホント)。もし、そうであれば→→→先方の求めに応じて中国のロケ要素も書く・・・ライアンくんは大人の脚本家にして監督だわ(笑)

 なかなか良く練られた脚本で・・・「この設定いらなくねーか?」と思うとこも終盤に効いてきたり(ちょっと有名な某映画のシチュエーションを思い出したりもしたが)。大したもんですよ、ホントに^^。少々、不満なのは・・・ブルースが最初に出てくるまでちょっと長いのと、もうちょい主人公2人の直接バトル&やりとりがあってもいいような気はした(→中盤から後半、どう展開するのかネタバレするんで詳細を書けないのが辛いところだ)。うまくやれば<未来を知っている男とまだ知らない男>のギャップも出て、更に話が深くなった気も。でもね、オチは筆者もちょっとビックリしたわ!!書かないけど(笑)。

 
 まぁ、是非観て欲しい内容の一作!!あくまでTVドラマの延長でしかなかった「ストロベリーナイト」とかより遥かにいいんで(比べるなっつーの)^^