其の251:カルト&キッチュなSF映画!

 「ジョーズ」のロイ・シャイダーに続き、市川崑監督が亡くなられた。そこで小学生の筆者を金田一フリークにした「市川版金田一耕助映画全解説」を書こうと考えましたが・・・大変な文字量になるので延期します(笑)。代わってジェーン・フォンダ主演のカルトSFファンタジー映画「バーバレラ」(’68)を^^「全然違うやんけ」とツッコミが入りそうですが、前回の「ブレードランナー」の流れを汲んだという事で平にご容赦の程を(笑:でも特撮はチャチいよ)。


 遥か遠い未来。敏腕女性宇宙飛行士バーバレラ(=ジェーン)は宇宙旅行中、地球国大統領よりデュラン・デュラン博士の捜索&連行を依頼される。彼は恐るべき破壊光線を完成させたあと行方をくらませていた。旅の最中、事故によってバーバレラの宇宙船はある惑星へ不時着!九死に一生を得たものの、芋づる式に色んな人と出会って、うまいこと博士がその星にいる事を知る(苦笑)。こうして彼女は悪の皇帝が支配する城へ潜入を図るのだが・・・。


 上に書いた通りストーリーは「超ご都合主義」!これ元々漫画が原作なんで余り気にしないように(笑)。「バーバレラ」は「デュラン・デュラン」が今作の博士から名前をとった事で有名な映画である(ゴダイゴが「後醍醐天皇」から命名したようなもん)。あと有名なのはジェーン・フォンダが(何を間違えたのか)透け透けのエロいコスチュームに身を包んでいること!冒頭のクレジットから無重力ストリップをやらかしてます(ビーチクも見えるよ)。


 監督は<女房主演で映画を撮るのが大好き>なロジェ・ヴァディム(=スケこまし)。当然、このときヴァディムとジェーンは夫婦(笑)。ヴァディムは取り上げる題材から「耽美派」などと称されていますが・・・他の監督作品(「悪徳の栄え」とか)を観ても筆者はそれほど巧い監督だとは思わない。ただ、女房をエロく撮るのはうまい(爆笑)。
 今作はオールスタジオ撮影で、そのビジュアルは(当時流行した)サイケデリックあり、何故か宇宙船内が毛皮でフカフカになってる等の意味不明もあり(爆笑)・・・彼なりに良くやっているとは思うけど(まともなものがひとつもないので、美術さんや小道具さんは大変だっただろう)。元の漫画をどこまで忠実に再現したかは知りませんが・・・羽根のついた<大人の天使>はいま観ても爆笑もの!同じ年に公開された「2001年宇宙の旅」の出来と決して比較してはいけない。


 脚本はヴァディムとテリー・サザーン大先生。サザーン先生は、このブログにも度々名前が出てきますが・・・こういう作品担当するのが多いね(笑)。劇中に出てくる「自我を持つ液状生命体」という設定は、明らかにレムの「ソラリスの陽のもとに」からの引用(映画化名「惑星ソラリス」。ハリウッドでリメイクもされた)。手を触れずに行う「未来のセックス」は、逆にスタローンの「デモリションマン」で使われてた。有名な「ピアノ型セックス拷問マシン」は・・・今作でしか観たことない(笑)。この時代だからこそ作られた一作だといえよう(でもリメイクの企画があるらしい)。


 「バーバレラ」同様、カルト的人気があってエロでキッチュでポップなSF映画(でもチャチ)といえば「フレッシュ・ゴードン」!「フラッシュ・ゴードン」のポルノ版パロディだけど、これも面白い^^
 浴びると無性にヤリたくなる催淫光線を放つ悪者を倒すため、主人公フレュシュがポコチン型ロケットに乗って宇宙に飛び立つ(笑)。股間のイチモツが回転する「ピストン・ロボット」とか怪しげなキャラも登場するチ○コにこだわった作品で、中学生男子にはウケること間違いなし(笑)。ちなみに大分後になって作られた<続編>は「う○こ、しっこ」という小学生男子にウケる路線にシフト(=出来は前作の方が上)。余りの下品さに映画の途中、鈴木保奈美は席を立ったそうだ。これは実際に目撃した人から聞いたので間違いない(笑)。


 そもそも「フラッシュ・ゴードン」はアメリカの人気コミックで、大ファンだったジョージ・ルーカスが映画化権を取ろうとしたものの(=白黒時代に映画化されていた)権利料が高すぎて断念。そこでオリジナルとして考えたのが「スター・ウォーズ」である事は超有名な逸話。
後年、スター・ウォーズ越えを目指して「フラッシュ〜」が実写映画化されたけど・・・最低の出来だった(涙)。
この「フラッシュ〜」と先述の「バーバレラ」を企画したのは大プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティス!!このお方、リメイク版「キング・コング」のプロデューサーでもある(ピーター・ジャクソン版の前のやつね)。ラウレンティスこそカルトSF映画界の<裏の立役者>として映画史に残るに違いない(多分)。


 <追記>覆面作家沼正三の知る人ぞ知るウルトラハイパーエログロ超問題小説「家畜人ヤプー」の実写映画化が水面下で進んでいるらしい。監督には、あの長谷川和彦の名前も!ほ、ホントにこれやるの?そっこうでお蔵入りしそうだが?