其の139:やはりタイトルは大事っす「私をスキーに連れてって」

 たまには<季節>に合わせて、今回は大ヒット作「私をスキーに連れてって」を紹介!やっぱり冬はスキーでしょう(笑:個人的にはもう何年も行ける状態にないけど)。当初のタイトルは「白い恋人たち’87」だったそうですが(元ネタはご存知クロード・ルルーシュのドキュメンタリー作品から)・・・いまのタイトルにして大正解!やっぱりタイトルは<映画の顔>ですね!
もっとも、このタイトルも懐かしのハリウッド映画「私を野球に連れてって」からとっているんだけど(笑)。


 まぁ、ストーリーはスキー以外は冴えない商社マンがスキー場で出会った可愛いおねーちゃんの為に頑張る、ナウい(=死語)青春コメディとでもいいましょうか(俗に言う「ボーイ・ミーツ・ガール」)・・・。これ以上、書かなくてもいいでしょ(笑)。


 この映画を企画したホイチョイ・プロダクション(監督の馬場康夫もそのメンバーのひとり)は「気まぐれコンセプト」や「見栄講座」等で知られるグループ。で、その彼らが企画したオシャレ本「極楽スキー」が、そもそもの始まり。要は<趣味>を映画にしたってこと(笑)。
スキー・テクニックや面白スキー術はもとより、当時の最新スキー・ウェアやグッズ(どこでもバーに早変わりする「カクテル・セット」や夜間のスキーを可能にした「背負子式ライト」ほか)が惜しげもなく登場(この辺りの細部のこだわり方は伊丹十三のウンチク映画に少々似ている)!ユーミンの数々のヒット・ナンバーと共に「リゾート気分」を大いに味あわせてくれます。


 主演は既に角川映画でアイドル女優となっていた原田知世三上博史(=彼はこの作品で大ブレイク!)。このほか知世の実姉・原田貴和子(初共演)や沖田浩之布施博竹中直人田中邦衛と何気に豪華キャスト!「三上はスキーがうまい」と言う事でキャスティングしたそうですが(それ以前は寺山修司の作品とかに出演していた)実は「間違い」だったそうで(笑)キャスト一同、後に連日猛特訓を受けたそうだ(チャンチャン)。


 「志賀高原」と「万座スキー場」までは車で移動するとルートの都合上、4時間かかる(=当時。今は・・・知らん)。だが、直線距離なら僅か2キロ(スキーで行けば1時間足らず)!この現状を<映画のクライマックス>で取り入れ、作品のリアリティーを上げている。
実はこれと同様の趣向を・・・のちにホイチョイは自転車便を題材にした「メッセンジャー飯島直子主演)」でも取り入れているのだ(=バイク便との競争で、主人公が移動時間を短縮する為に強引なルートを走る)。でも、こっちの映画は・・・コケた(苦笑)。


 「私を〜」の大ヒット後、ホイチョイ・プロダクションはトレンディー路線「彼女が水着にきがえたら」、「波の数だけ抱きしめて」、「メッセンジャー」と作品を放ってきたがーまもなく7年ぶりの新作「バブルへGO!タイムマシンはドラム式(広末涼子主演)」が公開される。
財政破綻の危機に瀕した日本を救うべく、タイムマシンで1990年に戻り、バブル崩壊を食い止めようとするコメディーだが・・・このネタ、大分前に「気まぐれコンセプト」で書いてたのとほぼ同じ(笑)!この映画がヒットするか、はたまたコケるのか・・・筆者の興味は尽きない。
 ・・・な〜んて延々書いてたら、すげースキーしたくなってきた(苦笑)!!