其の83:「極道恐怖大劇場 牛頭」(笑)

 三池崇史監督作品。オリジナル脚本を執筆したのは「殺し屋1」、また俳優として「キル・ビル」にも出演した才人・佐藤佐吉。三池作品はナンセンスとバイオレンスに彩られた傑作の数々で知られているが(「戦国極道志 不動」、「DEAD OR ALIVE 犯罪者」も凄い)、この「極道恐怖大劇場 牛頭(ごず)」はタイトルからして意味不明!傑作の臭いがプンプンする(笑)。

 ヤクザ南(曽根英樹)は、組長(石橋蓮司)から尊敬する先輩ヤクザ尾崎(哀川翔)を奇行が目立つことを理由に、名古屋にある<ヤクザ処分場(笑)>に連れて行くよう命じられる。だが道中、南は誤って尾崎を殺してしまう。おまけに目を離した隙に死体までもが消えるー!見知らぬ名古屋の街で南は死体を捜すうち、摩訶不思議な世界へと取り込まれてゆく・・・。

 ストーリーのわけのわからなさ(爆笑)と対照的に超豪華キャスト!哀川翔を筆頭に火野正平間寛平吉野きみ佳、小沢仁志、長門裕之加藤雅也のほか丹波哲郎まで!!
日本発の「ヤクザ・ホラー」を大いに盛り上げる(笑)。特に吉野きみ佳が登場する終盤からは全く先が読めない。決して途中で早送りなどしないように!!

 何故、<名古屋>が舞台なのかーその理由は単に三池・佐藤両氏は名古屋が嫌いだからーというただそれだけ(苦笑)。タイトルの「牛頭」は閻魔大王の傍らにいる鬼の事ではなく、佐藤氏の同級生の名字から取ったそうだ(笑)。
勿論、タイトルロールなので劇中に登場!一体、それはどんな姿なのかーこれは観てのお楽しみ。「エンディング」の歌も心して聴いて欲しい。

 ここまで書いて申し訳ないのですがー「シャレ」のわかる人だけお薦めします(笑)。