其の76:ヒッチコック「サイコ」は最高(駄洒落)

 我が敬愛するアルフレッド・ヒッチコックは言うまでもなく<映像の魔術師>である。そしてご存知の様に<サスペンスの神様>!筆者は大学時代に彼の作品をビデオで繰り返し観た程、ハマっていた。彼は映画史上に残る傑作を数多く残したと思う。よって、ここでは不定期ながら数回に分けて彼の作品を紹介したい。まず、その1本目は「サイコ」。この映画から「サイコ」という言葉が一般的になった功績(?)もある。
 実はテレビドラマシリーズ「ヒッチコック劇場」の作り方を流用した「低予算映画」なのだが、これは紛れもなく傑作中の傑作!!大メジャー作なのでストーリー紹介等は特に必要ないだろう(後述するが、実は書きにくい展開)。中でも誰もが知っている「シャワーでの殺人」!時間にすると約30秒程度のものなのだが、以後のホラー、サスペンス映画に与えた影響は大(このシークエンス撮影の為に1週間かかった)。映画自体を観ていなくても、ここだけは聞いて知っている人も多いだろう。大量に流れる血をどぎつく見せないように、ヒッチコックはこの映画を「モノクロ」で撮影したと語っている。
 青春スターだったアンソニー・パーキンスはこの作品のお陰で、亡くなるまでノーマン・ベイツ(映画の役名)を引きずる事になった(ヒッチコック抜きでいつのまにやらシリーズ化。遂には本人が監督も兼任!)。・・・筆者も彼が出てくると「何かやらかすのではないか?」と思うようになってしまった(苦笑)。ちなみに数年前、公開された同名映画は1作目のリメイク(構図もカメラ割りも全て忠実に再現したそうな)。勿論、筆者がそれを・・・観るわけがない(笑)!
 ヒッチコックは実在の猟奇殺人鬼エド・ゲイン(ちなみに「悪魔のいけにえ」のレザーフェイスもゲインが元ネタ)をモデルにした同名小説を見事に映像化!当時としては画期的な2部構成(書くとネタバレ)、<謎の殺人鬼>の見せ方の妙(ヒッチは公開当時、真相がわかるラスト30分の途中入場を禁止した)。下手な監督が同じ事を試みたら大失敗必至と思われる手法を全てクリアーしている。ーそう、「サイコ」はヒッチコック以外には作りえなかった映画なのだ。
 ・・・だから撮り方や編集をいくら<真似>したって、ヒッチ以外に「サイコ」は作れないちゅーの!わかったか、○○○(ある監督名)!!