デ・パルマの「スカーフェイス」や「ファントム・オブ・パラダイス」、リンチの「ブルーベルベット」や「ルールズ・オブ・アトラクション」、「まぼろしの市街戦」等も考えたのですが、結果「ウィッカーマン」を（笑）。７０年代前半にイギリスで製作された、知る人ぞ知る＜超カルト映画＞です！知ってる人はかなりのマニアでしょう（笑）。
行方不明の少女を探すため、スコットランドの西にある小島を訪れた警察官。彼は捜査を続けていくうちに驚愕の真相をつきとめるのだが・・・！？
主人公を全裸で誘惑する酒場の娘や、学校で生徒達に「男根信仰」を教える女教師ーと怪しい島民たちがてんこ盛り（笑）。これで＜夜這い＞も出てきたら、ほとんど漫画「花園メリーゴーランド」の世界（笑）。観客は否応なく＜主人公の視点＞で、この異常な島の姿を彼と共に目撃していく仕掛けになっているのが、この映画のミソ！
この島を支配しているのが、最近ではドゥークー伯爵でも御馴染み：クリストファー・リー御大！そもそもこの映画はリーが「ドラキュラ」のイメージを払拭する為の企画としてスタートしたそうだ（でも、これでそれが成功したかどうかは謎・笑）。主演俳優や監督は日本では全く知名度のない方々だが（苦笑）、脚本は「探偵＜スルース＞」の名脚本家アンソニー・シェイファーである事をここに付記しておく。
ラストは文字通り＜驚愕のラスト＞！ピーター・フォンダの「悪魔の追跡」を彷彿させる（これ以上はネタバレにつき書けない）。一時期、この「ウィッカーマン（＝木で編まれた人型人形の事）」リメイクのニュースも流れたがー立ち消えになって本当に良かった！この怪しくも退廃的且つ魅力的なムードは、ベトナム戦争やヒッピーのいた＜不安定な時代＞だったからこそ、その空気もがフィルムに収められたわけであって、いまこれを再現しようとしても出来るわけがないのだ。
そんなカルト映画も今ではＤＶＤで観賞可。世にも奇妙な＜島巡り＞に興味のある方は是非！
