其の72:ベッソン、最後の輝きか?「レオン」

 その昔、友人の紹介でスウェーデンの方々と飲んだ事がある。その時、話題になったのが公開されてまだ間もなかったリュック・ベッソン監督(フランス人)のアクション映画「レオン」。「あれは良かった!」と国境を越えて誉めあった(笑)。それもー今となっては懐かしい思い出だ(理由は後ほど)

 舞台は現代のニューヨーク。レオン(ジャン・レノ)は唯一、植木鉢を友とする孤独な凄腕の殺し屋。そんな彼の元に悪徳刑事(ゲイリー・オールドマン)らに家族を殺された少女マチルダナタリー・ポートマン)が身を寄せる事となる。レオンの職業を知ったマチルダは、家族の復讐のため殺しの手ほどきを受ける事になるのだが・・・。

 公開当時のコピーは<凶暴な純愛>。その看板に偽りなし!レオンとマチルダは年の差はえらく開いているが「レオンは身体は大人だが、心は12歳の少年」とレノが言うとおり、彼女と不思議な愛(エロなし)を育む事になる。ラスト、ふたりがそれぞれの思いを吐露するところは感動しますよ。それにしてもーまさか、これがデビュー作となったナタリー・ポートマンが後に「スター・ウォーズ」に出るとは夢にも思わなかった(笑)。
 特筆すべきは何といってもゲイリー・オールドマンの怪演!ウォークマンベートーヴェン聴きながらドラッグを服用してイッちゃうマジ危ない役(笑)。人殺しなど屁とも思わない残虐な奴だからこそ、レオンとマチルダ(=いいもん)にエールを送ってしまうのだ。
 監督は先述したリュック・ベッソン。ここしばらくは他人のプロデュースや脚本しか担当していないが(苦笑)「グラン・ブルー」や「ニキータ」のヒットが認められて、この作品でハリウッド進出。ニューヨークが舞台なので当然<オール・アメリカロケ>と思いきや、室内などのセット撮影は母国フランス!やはり勝手が分かっている所で撮影した方がラクということか。ちなみにこの映画、少々上映時間が長い<完全版>もありますので、ファンの方はそちらをどうぞ!
ジャンヌ・ダルク」以来、6年ぶりの監督作「アンジェラ」が公開中ですがーあまりよろしい出来ではないらしい。「レオン」の後に作った「フィフス・エレメント」そして「ジャンヌ・ダルク」・・・ベッソンは「10本監督したら引退」を公言しているのだが・・・彼の全盛期はもしかしたらここまでかもしれない・・・(う〜む)。