其の64:男泣き必至!「あしたのジョー2」

 漫画「あしたのジョー」が<傑作中の傑作>である事に異論はないだろう。当然、テレビアニメ化され、それをまとめた映画版も公開された。この「あしたのジョー2」は、いまや伝説の力石徹戦以降のジョーの戦いが描かれる。あの<真っ白に燃え尽きたラストシーン>まで・・・!!

 いまさらストーリー紹介等は不要だろう。ひたすらストイックな主人公・矢吹丈がじょじょに「パンチ・ドランカー」の症状を発症しつつ、<世界チャンピオン>ホセ・メンドーサとの死を賭けた戦いに身を投じてゆく。白木葉子の「愛の告白」を受けながらもー。男なら感動すること間違いなし!これで泣かずに何で泣く!!

 監督は出崎統。古いところでは「宝島」、「ガンバの冒険」、「エースをねらえ!」等で知られるアニメ界の巨匠。その氏がシャープかつダイナミックに時には人間ドラマを、時には大迫力のボクシング・シーンを変幻自在に演出!ホセが放つ「コークスクリュー・パンチ(冷静に考えなくても、こんなパンチうてるわけないが)」は、氏の演出力の賜物だ!テレビシリーズ放送当時、「機動戦士ガンダム」の監督・富野由悠季(旧・喜幸)をして「彼のセンスには負けた」といわしめたほど。
 また、今では宮崎駿監督のように自作に声優ではなく<俳優>を起用する人が増えたが、今作もジョーにあおい輝彦マンモス西岸部シロー白木葉子壇ふみ等、豪華俳優陣をキャスティング!アニメに俳優を使う先駆けと言っても良いのでは?(私事で申し訳ないが、あおいさんにインタビューした際、ジョーの台詞を言って頂いた時は感動した!)
 こう考えると海外で「ジャパニメーション」と呼ばれる遥か以前から、日本のアニメは質・技術とも優れていたなぁ〜と改めて実感!ただ、最近のアニメは・・・絵や技術はもの凄いんだけど、内容が薄いくせに設定だけ複雑になった気がするのは筆者だけ!?