其の59:摩訶不思議な映画「マルコヴィッチの穴」

 映画「マルコヴィッチの穴」!・・・まずタイトルが凄い!映画を観ないと全くの意味不明題(笑)。原題は「ジョン・マルコヴィッチであること」の意。勿論、<マルコヴィッチ>とは映画ファンなら誰もが知っているあの個性派俳優である。そのタイトルロールの彼も本人役で出演しているのが、本作である(出るか出ないか相当、悩んだらしい・笑)。但し、評価は真っ二つに分かれると思うので<洒落のわかる人>にお薦めします!

 「人形使い」の男(ジョン・キューザック)が、あるビルの一角に発見した穴ーそれは有名俳優ジョン・マルコビッチの<脳内>に入れる不思議な穴だった!それをきっかけに商売を始める男。だが、男の妻(キャメロン・ディアス!)もこの穴に気付いて入った事で、夫婦の関係が変化していく・・・。冷静に物語を書いても訳わからんストーリーだ(笑)。

 「人形使い」という職業から、異常に天井が低いビルの廊下、そしてマルコヴィッチの頭の中に入れる汚い穴・・・。これでもかと怪しげな意匠を設定したミシェル・ゴンドリーの脚本が素晴らしい!普通、こんなことは考え付かないだろう(日本なら筒井康隆大先生ぐらいか?)。まさに<天才>である。ちなみに<マルコヴィッチを選んだ理由>は、声に出して様々な俳優の名前を連呼したところ、一番笑えたというのが真相のようだ(爆笑)。その為、劇中マルコヴィッチ自身が穴の中に入ってしまう場面は大爆笑!本作、最大の見せ場といえよう!
 あとはキャメロン(よく、この仕事受けたな)が○○して、その結果、焦ったキューザックが・・・となるのだが(ネタバレにつき書けません)、これだけ訳分からない設定ながら、普通のドラマとして観られるのが不思議。監督のスパイク・ジョーンズの演出が光る一篇である。ゴンドリーはこの後も奇想天外・摩訶不思議な脚本を連発している。今作にハマった人は是非、ご自身で調べてご覧あれ!!