其の47:「太陽を盗んだ男」のパワーはすげぇ!!

 今から30年近く前の邦画である。主演は人気絶頂期の沢田研二。監督はこの作品以来、沈黙を守っている鬼才・長谷川和彦(でも、本人は次回作撮る気マンマンとか)。筆者は近年、久々にこの作品を観直したのだが、その荒唐無稽さ&圧倒的なパワーに打ちのめされた!!これぞ<快作(怪作?)>と呼ぶにふさわしい!!!

 物語は孤独な教師(勿論、演じるのはジュリー!凄い配役だ)が原発からプルトニウムを強奪!自宅アパート内で原爆の製造に成功する。そこで日本政府を相手に「プロ野球中継を最後まで放送しろ!」「ローリング・ストーンズの来日公演を実現させろ!」等、無茶な要求(当時は)をするもののー心は満たされない。その内、放射能による病気は発症するわ、しつこい刑事(菅原文太!)が来るわで・・・大変な事態になっていく(笑)。

 このストーリーを読んだだけでも、かなり「強引な話」である事が分かるだろう(笑)。映画の冒頭から国会議事堂の敷地にバスで突っ込むわ(=スタッフが逮捕覚悟でゲリラ撮影したそうだ)、ジュリーは「ルパン三世」の様な手口で原発に侵入するわ、菅原文太はゾンビの様に何やっても死なないわ(笑)。
 日本的には<原爆製造>だけで良識派から叩かれそうだが(苦笑)、<社会派>の体裁を取りつつ、一大娯楽作に昇華させている。上映時間も2時間を越えるが、全く飽きさせないナイスな構成である。
 最近はちょい太めになってしまったジュリーだが、この当時は「魔界転生」といい「ときめきに死す」といい怪しい魅力を持った美青年!菅原文太も当時は「トラック野郎」「仁義なき戦い」よろしく角刈り(笑)でジュリーと壮絶なバトルを繰り広げる。そして、衝撃の<ラストシーン>・・・!筆者は「新宿コマ劇場」の前を通る度に、その場面を思い出してしまう。生きている間にもう一回、こんな<超クール>な邦画が観たいぞ!!

 追記:「尾道の民」さん、情報有難う御座います!今度観てみます!!