其の3:傑作娯楽活劇「大脱走」

 今回取り上げる傑作娯楽活劇「大脱走」は・・・今更なにを言うまでもない大傑作、大名作です(・・・前回までは割とコアなものを選んだので、この辺りでメジャーなものを・笑)。本編3時間があっという間に過ぎます。
 ナチの捕虜収容所から脱走した連合国兵士の実話を基に、故スティーブ・マックィーンチャールズ・ブロンソンジェームズ・コバーンリチャード・アッテンボロー(彼は未だ生きてますよ!)らの生死を賭けた活躍が描かれています。
 物語は①トンネルを掘って脱出②脱出後、ナチに追われるメンバーの逃亡 という二部構成で、①の前半は原作に忠実にトンネル堀りの過程を再現。②はーある意味、原作からは逸脱しています(笑)。実際にはマックィーンが演じたオートバイ・チェイスはありませんでしたが(自分の役がつまらないと感じた彼の提案によるオリジナル)、逆にそれが映画史上の名シーンの1つとなりました。マックィーンのアイデアを取り入れ、うまく処理してみせたジョン・スタージェス監督(「荒野の七人」でもふたりは組んでます)の技量の高さがうかがえます。
 また、どことなく「大人の鬼ごっこ」的楽しいムードが漂い、「誰が逃げのびるか?」も含めて大変楽しい作品です(女性が一切出ないのも、すがすがしい)!これぞ「男の映画」!

 一般的に「潜水艦映画にハズレなし」と言われますが、ドイツ映画「トンネル」等々も含め「トンネル脱出映画にハズレなし」と言ってよさそうです^^。