其の614:恐るべき自称ジャーナリスト「ナイトクローラー」

 多忙過ぎて、休みになると死んだように寝る日々が続いておりました・・・。そんな生活をしていたら、もう9月中旬じゃないか(ゾッ)!!いい加減、雨も止んでほしいなぁ・・・。


 事件、事故をフリーランスのジャーナリストが撮影して回る様を描いた映画「ナイトクローラー」(’14・米)。筆者も人から見ればマスコミ側の人間なので、興味をもって観たのですが・・・それはそれはある意味、めっちゃ怖ろしいスリラー映画だった!!某アメコミのキャラの方ではないので読み進める場合はご注意を^^。

 
 アメリカ・ロサンゼルスー。ルイス・ブルーム(=ジェイク・ギレンホール)は、定職がなく時には盗みをして生活の糧を得る孤独な青年。そんなある日のこと、自動車事故の現場を撮影するフリーのムービーカメラマンの様子を見た彼は盗んだ自転車と交換したデジカメ&警察無線受信機を使って自動車強盗に襲われた現場を撮影、地元ローカルテレビ局に売り込みに行く。朝のニュース番組を統括するニーナ(=「メジャーリーグ」、「リーサル・ウェポン」シリーズのレネ・ルッソ)は動画を購入し、これからも撮影を続けるようにアドバイスする。より刺激的な映像を撮るため、ルイスは必要ならば遺体の位置を動かして撮影するなど現場の改竄をも行い、高額で映像をニーナに売りつけるようになる・・・!!


 ネタばれ防止で、粗筋は上記あたりに留めますが・・・ハッキリ言って主人公の行為は許されません(当たり前)!!しかももっともっと暴走していくので(本当)、そこら辺りを注目して観て頂けたらと。ちなみにアメリカには主人公のような職業の人は本当にいます(例:クルマで逃走する犯人と追うパトカーのカーチェイスを所有するヘリコプターで撮って、地元局に売る)。日本ではムービー撮って売りに来る人は・・・筆者は聞いたことないな〜。いいとこ<視聴者提供>映像ぐらいちゃうかな!?

 なによりも今作最大の見所は・・・ジェイク・ギレンホールの怪演!これに尽きる。主人公、目が完全にイっちゃってるし(笑)。主人公のバックボーンが描かれないので<勝手にジャーナリスト>になる前、何故小悪党生活しているのかは不明だが・・・基本的には頭はいいけど、完全にモラルのないビョーキの人を演じてます。こいつが次になにをやらかすか「おい、おい、おい!」とつっこみながら映画を観ることに(勿論、主人公への共感度ゼロ)。こんな業界人いたら・・・恐ろし過ぎる!!

 監督・脚本はダン・ギルロイ。これまで「リアル・スティール」の原案や「ボーン・レガシー」の脚本とか書いてた御仁で、これが初監督作。次第に狂気全開していく男の姿を手堅い正攻法の演出で見せてくれます。ちなみに主人公に絡むレネ・ルッソ(筆者も昔好きな女優さんのひとりだったけど・・・大分老けたな)は、ギルロイ監督の奥さん!反マスコミ、アンチジャーナリスト映画の側面もあるのは・・・監督がレネ・ルッソと結婚する際に芸能マスコミとかに追っかけ回されたのではないかと邪推してしまう。この他、メジャー俳優として「ツイスター」のビル・パクストンも出てるんだけど・・・こんな扱いでいいんか(苦笑)!?


 個人的には今作観た人の一部でも「マスコミって、ニュースでもこんな事までして放送してるの!?」と思われるのがちょっと嫌で・・・。あくまで、これは“映画(作り物)”なんで!!まんま現実ではない事をご理解・ご了承くださいませませ^^



 <どうでもいい追記>もうじき、久々に娯楽作手掛けたスピルバーグジュゼッペ・トルナトーレの新作が公開!!両作共、ムビチケ購入した❤